
世界に大きな影響を与えているトランプ大統領による関税引き上げ。
実は、アメリカ自身への経済に対しても打撃を与えています。
今回の「週刊タイパニュース」では、トランプ関税について引き続き解説します。
トランプ関税がアメリカ経済にも打撃
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
世界各国への関税を引き上げたトランプ大統領。
前回解説したとおり、その理由は「国内産業を保護したい」「貿易赤字を解消したい」というものでしたが、その関税引き上げが、ほかならぬアメリカの経済にもマイナスの影響を与えています。
一体どうしてなのでしょうか。
そもそも関税の仕組みとは?
そもそも、関税というのは、海外から製品を輸入したときに、輸入業者が支払う税金です。
例えば、100万円の自動車に20%の関税が課されたときは、輸入業者が100万円の代金を輸出した会社に払うのに加えて、税関に対して20万円を支払わなければなりません。
その自動車を、そのまま100万円で売ってしまうと、輸入業者は大損をしてしまいますので、関税で上乗せされた分の金額は商品価格に転嫁されることになります。
関税引き上げで輸入品が高騰
つまり、関税が引き上げられると、そのぶん、輸入品は高くなるわけです。
トランプ大統領が世界各国の輸入品への関税を引き上げるということは、アメリカ国内でさまざまな輸入品が高騰していくということになります。
トランプ大統領はその中で、相対的に安い国内製品を広く流通させ、国内産業を活性化しようとしているわけですが、関税を上げたからといって、すぐにアメリカ国内に工場が出来て、アメリカ製品が増えるわけではありません。
結果、アメリカ国民は物価高に見舞われることになり、国内産業が再興する前に、アメリカ経済が衰退してしまうのではないかと危惧されています。

トランプ大統領は各国との貿易交渉に舵
こうしたことから、アメリカの経済指標であるダウ平均株価は乱高下する不安定な状態に。
その中で、トランプ大統領も、関税をそのまま強硬的に引き上げるのではなく、世界各国と貿易交渉をする方向に舵を切りました。
(アメリカに対して強気の姿勢を示している中国に対しては、関税を引き上げたままですが…)
その中で、日本とアメリカの関税交渉が世界各国から注目を浴びています。
それはなぜなのか。 次回も引き続きトランプ関税について解説します。
ぜひ、お楽しみに!

宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
▽YouTube=https://www.youtube.com/@bunyaarata
▽X=https://twitter.com/bunyaarata
▽note=https://note.com/bunyaarata
■ あわせて読みたい
編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)
