④男性の「ミディアム以上」が3年で約3ポイント上昇。存在感を増すロング男性

2024年時点で、男性の「ミディアム以上」の髪型(「ミディアム」「セミロング」「ロング」)は全体の11.2%。
これは、2022年の8.4%から3年で約3ポイント上昇しており、確実に“伸ばす男性”が増えていることを示しています。

現状の髪の長さを見ても、ショートが主流(88.8%)である一方で、ミディアム(5.8%)、ロング(3.7%)、セミロング(1.7%)と、長めのスタイルも無視できない比率に成長しています。
⑤10代・20代男性に広がるロング志向。20代では2割がセミロング以上

さらに20代男性の「セミロング」と「ロング」の合計比率は19.5%に到達。
2022年からわずか2年で約6ポイントも上昇しており、“伸ばす男性”の存在感が増しています。
15〜19歳でも11.7%と緩やかな上昇が見られます。
K-POPアーティストやファッションアイコンの影響により、「おしゃれとしてのロング」を選ぶ若年層も増加しているようです。
男性にとってのヘアスタイルも、単なる清潔感や無難さではなく、“自分らしさ”を表現する手段のひとつになってきていることがうかがえます。
⑥「髪を伸ばす」男女が増加中。広がるヘアトレンドの多様性
「女性は短く、男性は短髪が無難」という従来の常識が、今まさに変わりつつあります。
性別に関係なく、自分らしくいられる髪型を選ぶという選択が広がるなかで、サロンにはそれを尊重し寄り添うカウンセリング力と柔軟な技術提案が求められるでしょう。
例えば「髪を伸ばしていく」女性が今後増えていくのにしたがって、ロングスパンでのスタイルの提案や、男性のロング志向に応えるヘアケアやアレンジ提案もサロンに求められていくでしょう。
近年はカラー提案が特に女性の提案の主流になりつつありますが、性・年代にかかわらない「ありたい自分」に近づく「似合せカット」もこれまで以上に重要になってきます。
■ データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
■調査期間
2024年2月
■調査対象
全国、人口20万人以上の都市に居住する15~69歳の男女各6600人

田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。
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