通常の裁判に移行してしまうことも…
少額訴訟は、「争うポイントが少なくて、簡単なケース」であることが念頭に置かれています。
例えば、今回でいえば、Aさんが借用書(30万円を貸した証拠)を提出できるなら、裁判官が「Aさんがお金を貸したのは間違いない」と判断できるので、まさに少額訴訟にぴったりのケースといえます。
逆に言えば、請求を受けたBさんは「お金を借りた事実はないから争う!」と思えば、「1日なんかで裁判は終わらないよ!通常の訴訟にして!」と主張できます。
具体的には、Bさんが「通常訴訟移行申述書」という書類を出すのですが、これが出されると、通常の裁判に移行することになります。

少額訴訟において気をつけること(裁判を起こす「原告」側)
①証拠があってほぼ確実に勝てるときに使うこと
少額訴訟は、いわゆる「勝ち筋」のケースのときに有効です。
争いがあるケースでは相手(被告)に通常訴訟に移行するように言われてしまうので、裁判期日が1回で終わらなくなります。
②弁護士に相談すること
少額訴訟を使うのが適切か知るには、弁護士に相談するのが一番良いです。
相談料はかかってしまうかもしれませんが、相談すれば書類の作り方も教えてくれるので是非とも利用するのがいいでしょう。
少額訴訟において気をつけること(裁判を起こす「被告」側)
これは「放置しないこと」です。
裁判は、出頭せずに欠席してしまうと、相手(原告)に勝訴判決が出ることになります。
勝訴判決が出されてしまうと、強制執行(差押えなど)がされる可能性があるので、放置はしないようにしましょう。
特に、最近実際にあったのが、「本物の少額訴訟を使った架空請求」の詐欺です。
「嘘の訴状を作って本物の裁判所に出す」というすごい発想なのですが、相手が欠席してしまえば勝訴判決が出るのでこっちのもの(詐欺師の勝ち)なのです。
メールやSNSを使った架空請求は無視してもいいのですが、本物の裁判所の手続きだと、架空請求の場合であっても無視すると権利が確定してしまうことがあるので注意が必要です。
書類に書いてある電話番号に電話するのもいいですが、お近くの弁護士に相談してどう対処したらいいか確認するのが一番です。
それにしても裁判所を使った詐欺なんて大胆すぎますね…

さいごに
今回は少額訴訟でした。
自分で裁判をやろうと考えている方でも弁護士に相談には行ってみて下さいね!
え?相談料が欲しいからそんなこと言ってるんじゃないかって?ちっ、違いますよ!?
次回もよろしくお願いいたします。

松本 隆
弁護士/横浜二幸法律事務所・パートナー
早稲田大学法学部、慶応義塾大学法科大学院卒業。2012年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。企業に寄り添う弁護士として労働問題を多く扱っており、交通事故や相続にも精通している。また、美容師養成専門学校において「美容師法」の講義を担当しており、美容業界にも身を置いている。社交ダンスの経験も豊富であり、メイクやヘアスタイルにも詳しい。2021年にはメンズ美容のモニターとして100日間チャレンジを行うなど、メンズ美容の重要性も説いている。「髪も肌もボディもケアさえちゃんとすればアンチエイジングは必ずできる」というのがモットー。
横浜二幸法律事務所
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▽TEL=045-651-5115
監修・執筆・イラスト/松本隆(弁護士) 編集/大徳明子
