
トランプ大統領のもとでウクライナ停戦の動きが急速に進んでいます。
その背景には一体何があるのでしょうか。
今回の「週刊タイパニュース」では、最新の国際情勢について解説します。
停戦を急速に進めるトランプ大統領
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
今年になってアメリカのトランプ大統領がウクライナ停戦に向けた動きをどんどん加速化させています。
しかし、ゼレンスキー大統領との間では口論になるなど、アメリカとヨーロッパ各国の間では確執も生まれています。
なぜ、このような事態になってしまったのでしょうか。
国内政策を最優先にする米国第一主義
そもそも、トランプ大統領が停戦を急いでいるのには理由があります。
これまで、アメリカはウクライナを金銭的にも軍事的にも支援をしてきたわけですが、米国第一主義を掲げるトランプ大統領はそのお金を国内政策に使うべきと考えています。
そのためには、戦争を終わらせることが手っ取り早いとして、トランプ大統領はロシアに対して停戦するよう交渉を進めているのです。
不安な思いが募るウクライナ
そんなトランプ大統領の動きを不安視しているのがウクライナです。
アメリカが停戦を急ぐあまり、ロシアに有利な形で停戦が行われないか、また、停戦したあとにロシアが再侵攻しないかを懸念しています。
ロシアは2014年にもウクライナの一部であるクリミアを併合し、そして今回のウクライナ侵攻を引き起こしているので、ゼレンスキー大統領としては「プーチン大統領は信頼できない」というスタンスでいます。
しかし、トランプ大統領は「プーチン大統領は約束を守る」と主張しており、この認識のずれから、2月28日にホワイトハウスで行われた首脳会談では口論となってしまったのです。

なぜ各国はウクライナを支援してきたのか?
これまで、アメリカはウクライナを全面支援してきましたが、トランプ大統領になって大きな方針転換が起きています。
アメリカやヨーロッパ各国がこれまでウクライナを支援してきたのは、ロシアと国境を接する民主主義国の最前線がウクライナであり、中国やロシアなどの権威主義国の拡大を防ぐという意味合いがあったからです。
しかし、実利重視のトランプ大統領はアメリカの利益を第一に考えて動いており、ウクライナやヨーロッパとの間で温度差が出ているのです。
次回もウクライナを巡る情勢について解説します!
ぜひ、お楽しみに!

宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
▽YouTube=https://www.youtube.com/@bunyaarata
▽X=https://twitter.com/bunyaarata
▽note=https://note.com/bunyaarata
■ あわせて読みたい
編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)
