特に15~19歳では、その割合が2割を超えています。
例えば、若年層に人気の「刈り上げショート」「マンバン(男性のお団子ヘア)」は、従来的な女性らしさ・男性らしさにとらわれないデザインが多いスタイルです。
また、自身の性別を聞く設問に対して「無回答/あてはまらない」とした方のうち、ヘアカタログを「両方見たい」と答えた人は45.5%に達しています。
このデータからも、美容サロンでは、提案の際に男女両方のカタログからデザインを見ていただくことで、より顧客満足度を高めることができるかもしれません。
施術メニューについても「メンズカット」「レディースカット」といったものから「ショート」「ロング」といったスタイルに基づく名称にすることで、性別を意識せずに選びやすくなるかもしれません。
こうした工夫で、多様な価値観に配慮しながら、より多くの人が利用しやすい環境を整えることもこれからのサロンには必要となってくるでしょう。
また、ジェンダー・セクシュアリティに関するサロンでの対応について、11.4%が「好きな施術を確認されずに性別を理由に施術を決められた」と感じた経験があり、9.1%が「見た目やファッションだけで判断され、施術を提案された」と回答しています。
お客さまの「見た目」だけで決めつけるのではなく、希望を丁寧にヒアリングし、個々に最適な施術の提案が今後の美容サロンに求められるでしょう。
ホットペッパービューティーアカデミーでは、2025年2月4日に「LGBTQ+から多様性を考えるトークライブ&ヘアショー」を開催しました。
前半はLGBTQ+についての理解を深めるディスカッション、後半は当事者の方にヘアショーを実施。
性のあり方にかかわらず、モデルさんの「自分らしさ」を引き出すカット技術にセミナー参加者も魅了されました。
リクルートは、60年以上前の創業期から、経営理念の真ん中に「個の尊重」を置き、社会に提供する事業・サービスにおいても、個人の違いを尊重することを目指してきました。
あらゆるお客さまが安心して美容を楽しめる環境づくりができるよう、今後もサロンの皆さまとともに、誰もが心地よく通える場を目指していきたいと思います。
■ データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
■調査期間
2024年9月
■調査対象
全国15~59歳5,476人(男性:2700人、女性:2,700人、無回答/あてはまらない76人)
※図表内の%の値は小数第2位を四捨五入しているため、差分や合計値において、単純計算した数値と合致しない場合があります。
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。
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