
世間を騒がせたフジテレビによる中居正広氏への女子アナ上納疑惑。
その調査報告書が3月末に公表されました。
今回の「週刊タイパニュース」では、フジテレビ問題について解説します。
調査報告書を3月末に公表
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
この連載でも取り上げた、フジテレビと中居正広氏の問題について、3月末に調査報告書が公表されました。
そこでは新たな事実が判明すると共に、フジテレビの責任が改めて問われることになりました。
一体どのような中身になっているのでしょうか。
フジテレビ業務の延長線上での被害と認定
この問題については第65回、第66回、第67回と3回にわたって解説しました。
前提となっている問題の内容について知りたい方は、ぜひ過去記事を参照してください。
結論から言いますと、中居氏がX子さんを自宅マンションに誘った際に、フジテレビの幹部Aは関与していなかったものの、フジテレビの業務の延長線上で性暴力の被害に遭ったことが認定されました。
というのも、幹部Aが企画したホテル飲みによって中居氏とX子さんは最初に出会っており、そのホテル飲みはフジテレビの経費で精算されていたのです。
つまり、フジテレビ社員と芸能人の交流の場は「接待交際」などの業務だと認定できる。
一方で、X子さんが被害に遭った当日は、中居氏は「メンバーを集める」と言いながら誰も誘わず、マンションで2人きりになるよう仕向けていました。
こうしたことから、幹部Aが直接事件に関与したわけではないことも分かったのです。
余罪が次々と発覚!
しかし、一方で幹部Aが企画したホテル飲みでは、別の女子アナが中居氏と2人きりになる状況を作り出し、その中で身体を触られるなどの被害に遭っていたことが発覚。
また、10年以上前には幹部Aの誘いで「有力な番組出演者」とフジ社員が2人きりになるように仕向けられ、その中で下半身が露出されたという事案も報告書には盛り込まれています。(なお、週刊文春が「有力な番組出演者」は石橋貴明氏であると報道)
このように、テレビマンが女子アナや女性社員を接待要員として扱い、その中で性被害が生じていることが露呈したため、改めてフジテレビには人権意識やコンプライアンスが問われているのです。

被害相談を報告せず勝手な判断を繰り返す
また、フジテレビはX子さんの被害相談に対して、コンプライアンス推進室に報告せず、中居氏の番組継続を決めた事も問題になっていました。
こちらについては、X子さんの「周りに知られたくない」という思いを拡大解釈し、産業医にも相談せずに勝手な判断を繰り返していたことが分かりました。
もっと組織として問題にあたっていれば、もっと早くから女子アナを接待要員に使う文化を払拭出来ていれば、このような問題は起きなかったのではないかと思います。
そんな中で、フジテレビが信頼を取り戻し、またスポンサーが番組につくことになるか?
まさに正念場を迎えています。
次回はまた別のニュースについて解説します!
ぜひ、お楽しみに!

宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)
