闇バイトが流行している背景とは? 宮原健太の週刊タイパニュース(62)

特集・インタビュー
闇バイトが流行している背景とは? 宮原健太の週刊タイパニュース(62)

いま、闇バイトが大きな社会問題になっています。

なぜ、これまで犯罪とは無縁だったような人たちが強盗などに手を染めてしまっているのか。

今回の「週刊タイパニュース」では、最新の社会情勢について解説します。

「ホワイト案件」が流行語にも

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

闇バイトという言葉をニュースで見かけることが非常に多くなりました。

昨年の新語・流行語大賞には闇バイトに関連するワードとして、「ホワイト案件」がトップ10入りしたことも話題となりましたね。

SNSで「高収入」などと打ち出して募集されているバイト案件が実は犯罪だったということで、一般人が強盗などに加担してしまう事態が増えています。

なぜ、このような事が起こっているのでしょうか。

暴力団の衰退と半グレの流行

社会的要因はさまざまあるのですが、一因には暴力団の衰退「半グレ」や「トクリュウ」の流行というものがあります。

暴力団は警察による取り締まりの強化や、それによる資金難の中で内紛が勃発して組織が弱体化するなど、年々勢力が減少しています。

ただ、その一方で暴力団に所属しない不良集団「半グレ」などが台頭し、詐欺や薬物などの犯罪を担っていくようになりました。

一方で、こうした「半グレ」の組織犯罪に対しても警察が対応を強化しています。

そうした中で出てきたのが、犯罪集団の最新形態である「トクリュウ」です。

犯罪集団の最終形態・トクリュウ

「トクリュウ」の正式名称は「匿名・流動型犯罪グループ」

「匿名」「流動」とついている通り、固定された構成員によって組織化されているわけではなく、犯罪を計画するたびに参加者を募っているようなグループになります。

そのため、実際に犯罪を行う「実行役」や、実行役を集める「リクルーター」、犯罪を計画する「指示役」「首謀者」の繋がりは弱く、警察が実行役を逮捕しても、なかなか中心人物まで行きつかないのが現状です。

そして、この「トクリュウ」で実行役を集める手段として「闇バイト」が横行しているのです。

警察の取り締まりに対応するように犯罪集団は時代と共に変化を遂げている

時代と共に犯罪集団も変化

念のための補足ですが、暴力団の衰退が現在の闇バイトに繋がっているからといって、暴力団を肯定しているわけではありません。

ただ、警察の対策に対して犯罪集団も時代と共に変化を遂げており、その中で闇バイトが起きているのです。

では、こうした最新の犯罪集団に対して警察はどのような対策を取っているのでしょうか。

次回は闇バイトに対する警察の捜査についてお届けします。

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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