闇バイトに警察はどう対応するのか? 宮原健太の週刊タイパニュース(63)

特集・インタビュー
闇バイトに警察はどう対応するのか? 宮原健太の週刊タイパニュース(63)

さまざまな犯罪に広がりを見せている闇バイト

新たな犯罪グループに対して、警察はどのような対応をしようとしているのか。

今回の「週刊タイパニュース」では、闇バイトについてさらに深掘り解説します。

時代と共に変化した犯罪グループ

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

前回は、闇バイトの流行について、犯罪グループが時代と共に変化しているという観点から説明しました。

警察の捜査の目をかいくぐるために、「匿名・流動型犯罪グループ」というあえて繋がりの弱い組織を作り、犯罪の実行役は一般人から募っているということでしたね。

さて、そのような闇バイトに警察はどう対応しようとしているのでしょうか。

新しい「仮装身分捜査」という手法

すでに、警察は方針を発表しています。

それは「仮装身分捜査」というものです。

闇バイトでは、リクルーターが参加者に対して運転免許証の提示などを求めているため、警察官が潜入して捜査することが困難でした。

ただ、今後は警察が架空の人物の運転免許証を作り、闇バイトに応募することで、これまで難しかった潜入捜査をしていくというのです。

これまでの運用を超えた捜査に

実は、警察が架空の運転免許証などを作るのは、捜査のためでも公文書偽造などの罪に問われる可能性があるということで、今までは実施してきませんでした。

ただ、刑法には「法令または正当な業務による行為は罰しない」という規定もあるため、広がっている闇バイトに強力に対応するため、これまでの運用を超えて捜査を進めることにしたのです。

警察が、これまで控えてきたような捜査を導入したということからも、闇バイトが深刻な問題となっていることが伺えます。

仮装身分捜査によって犯罪グループへの潜入捜査を可能に

捜査手法を明かして大丈夫なのか?

なお、このように捜査手法を明かすのは、犯罪グループに手の内をさらすようなもので、良くないと考える人もいるかもしれません。

実は「仮装身分捜査」について警察が大々的に発表しているのは、犯罪そのものを抑止する狙いもあります。

参加者に捜査員が紛れ込む可能性もあるとなると、これまでのようにリクルーターがSNSで闇バイトを募集するのが難しくなります。

そうすることによって、闇バイトによる犯罪そのものが起きないようにしようという意味合いもあるのです。

次回はまた別のテーマについて解説します。

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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