10月15日に衆院選が公示され、解散総選挙が始まりました。
しかし、政権与党である自民党では内部対立が起き、亀裂が深まっています。
今回の「週刊タイパニュース」では、裏金議員の非公認について解説します。
自民党で内部対立が勃発!
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
ついに衆院選が始まり、10月27日に投開票されることになりました。
選挙の結果は石破政権の行方を左右することになりますが、与党である自民党の内部では対立が起きています。
裏金議員の非公認を巡り、一部議員が猛反発しているのです。
裏金議員の一部を非公認に
裏金問題については「政治資金、裏金とは何か?」から数回にわたって解説しました。
政治に使うお金(政治資金)は収入と支出の記録をきちんとつけなければいけないと法律で定められていますが、記録がつけられず何に使ったか分からないお金(裏金)が億単位で作られていたという話でしたね。
石破首相はこの問題に厳しく対応するため、裏金に関わっていた議員12人を非公認にしたほか、公認された議員34人も比例代表への重複立候補を認めませんでした。
重複立候補すれば、選挙区で敗れたとしても、得票率に応じて復活することができます。
しかし、石破首相は比例復活を認めないことで、裏金議員に対する国民の審判を厳正に仰ごうとしたのです。
猛反発が起きている理由
しかし、こうした対応に裏金議員の多くは猛反発しています。
もちろん、裏金を作ってしまっていたことは法律に違反する重大な事案なのですが、この裏金問題を巡っては、自民党が今年4月に処分を下しました。
離党勧告を受けて自民党を離れた人から、戒告で済んだ人までさまざまいたわけですが、すでに処分が下されたにもかかわらず、再び非公認などの対応を取るのは、1つの事案に対して2回も処分をしているのと同じになり、おかしいという意見が出ているのです。
(実際に自民党における処分の1つに「選挙での非公認」というものもあります)
そのため、石破首相と裏金議員の間には大きな亀裂が走り、そのまま選挙に突入しています。
非公認となる代償は?
選挙で非公認になると政見放送ができないほか、ビラやポスターの枚数なども制限されることになります。
そして何より、自民党という看板を掲げることができなくなるため、候補者自身が有名でないと票を取り逃がすことになります。
(皆さんも、選挙ではあまり個人名を意識せず、政党で選んでいる方も多いのではないでしょうか)
裏金議員を中心に自民党への大逆風が起きる中、衆院選の行方が注目されています。
次回は各政党の選挙公約について解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)