続いては、美容サロンでの「受け入れ経験」について聞いてみましょう。
これまでに1回でも外国人旅行者のお客さまが来店したことがあると回答した美容サロンスタッフは、55.3%。特にネイルサロンでは、7割以上が外国人旅行者を受け入れた経験があるという結果に!
外国人旅行者が、美容室で利用するメニューの人気ランキングを見ていきましょう。
1位は「カット」、2位に「シャンプー&ブロー」があります。
日本では美容室でのシャンプー&ブロー単独の利用はそれほど多くはありませんが、欧米では日常的に利用されていると聞きます。ある美容室では、外国人旅行者のお客さまがホテルでシャワーをした後に、スウェットを着て来店され、シャンプーだけを利用しに来られたというケースもあるそうですよ。
こうした文化の違いによって生まれる外国人旅行者のニーズに対応することで、今後の美容室でのインバウンド需要拡大につながる可能性もありそうです!
外国人旅行者が美容サロンを訪れる際の経路は、「たまたま通りがかって来店」するケースが最も多い(40.5%)です。
一方で「インターネットでの検索」「美容サロンの予約サイトで検索」「SNSでの検索」など、Web上で探すケースも多いことが分かります。
外国人旅行者は、ハイトーンカラーなど希望するデザインの写真を持参することも多く、予約サイトやSNS等にアップしている写真のクオリティが高いことで、集客に繋がる可能性があります。
外国人旅行者とのコミュニケーション方法として、最も多いのは「身振り手振り」での対応(56.5%)で、次いで「スマホなどの翻訳機能を使用」(43.7%)、「どの国の人でも英語で対応」(41.8%)が続きます。
言語でコミュニケーションできない場合でも、スマホの翻訳機能や写真・画像の共有が、言語が異なるお客さまとの意思疎通を支える重要なツールとなっているようです。
外国人旅行者の受け入れには、言語対応やサービス・マナーの違いなど、依然として課題がありますが、国民性からくる衛生的な環境や、確かな美容技術やホスピタリティの高いサービスは、外国人旅行者の心を捉えています。
また文化の違いによって、日本人のお客さまとは異なるニーズが生まれます。外国人旅行者のニーズに対応することで、今後の美容室でのインバウンド需要拡大につながる可能性もありそうです!
■ データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
■調査期間
2024年6月~7月
■調査対象
上記期間に東京、大阪を訪れた外国人旅行者(936人)
■調査期間
2024年8月
■調査対象
美容サロン(美容室、理容室、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン、アイビューティーサロン)で働いている人
<スクリーニング調査>2,632人
<本調査>外国人旅行客の来店を経験している1,016人
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。
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