県職員へのパワハラ疑惑や視察先からものを貰うおねだり疑惑が噴出している兵庫県の斎藤元彦知事。
県議会からの不信任決議案の可決を受けて、失職し出直し選挙に臨むと表明しました。
今回の「週刊タイパニュース」では、前回に続いて兵庫県知事の問題について解説します。
出直し選挙に再出馬を表明
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
前回は兵庫県の斎藤元彦知事が引き起こしたさまざまな疑惑と、告発に対する不適切な対応について説明しました。
これらの問題を受けて、県議会では不信任決議案が可決され、知事は失職し、来たる知事選に再出馬する判断をしました。
そもそも、この不信任決議案とは一体どういったものなのでしょうか。
不信任決議案とは一体何なのか?
不信任決議案は一言で言えば、「県議会から知事に辞職を求める決議」となります。
地方自治法の178条に記されており、不信任を受けた知事は決議を素直に受け入れて失職するか、「私を辞めさせようとする議会がおかしい」として議会を解散するかを10日以内に選ばなければなりません。
議会を解散した場合は、県議会議員選挙が行われることになりますが、新しく当選した県議のもとで開かれた県議会で、再び不信任決議案が可決された場合、知事は直ちに失職することになります。
つまり、議会解散の場合は県議選を通して、知事が正しいのか、不信任を出した県議が正しいのかを県民に問うことになるのです。
議会を解散しても続投は絶望的
しかし、今回の場合は県議会議員全員が不信任決議案に賛成しており、議会を解散して県議選をしたとしても、情勢がひっくり返るとは思えません。
状況を変えるためには、知事が知事派となるような対抗馬を各県議に対して立てて、勝利する必要がありますが、非現実的だと言えるでしょう。
斎藤知事が不信任を受け入れ、失職したうえで出直し選挙に臨む判断をした背景には、このような事情もあったとみられます。
兵庫県は知事選に突入へ
知事の失職を受けて兵庫県では近く知事選が行われることになります。
斎藤知事が再出馬するほか、自民党や日本維新の会、立憲民主党などの主要政党も候補者擁立に向けて、すでに水面下で動き始めています。
不祥事で停滞してしまった兵庫県政をだれに託すのか。
知事選で兵庫県民は問われることになります。
次回はまた別のニュースについて解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)