日本の新しい総理大臣に石破茂氏が任命されました。
激戦の自民党総裁選を制した背景には一体何があったのか。
今回の「週刊タイパニュース」では、新総理誕生の動きについて解説します。
新総理に石破茂氏を選出
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
10月1日から国会が開かれ、日本の新しい総理大臣に石破茂氏が選出されました。
与党である自民党のトップを決める総裁選を勝ち抜き、総理総裁の座を射止めたわけですが、その背景には何があったのか。
今回は最新の政治の動きについて解説します。
総裁選では小泉氏失速、高市氏追い上げ
自民党総裁選は9月27日に投開票が行われました。
「次の総理大臣はズバリこの人だ!」で解説しましたが、今回は9人もの候補者が乱立する激戦で、党員票の動向が非常に重要になっていました。
当初は小泉進次郎氏が圧倒的知名度で高い支持率を得ていましたが、彼が唱えた「解雇規制の見直し」が「正社員がクビを切られやすくなるのでは」という懸念を生んで失速。
中盤からは高市早苗氏が追い上げを見せ、石破氏とデッドヒートを繰り広げていました。
決選投票は「石破VS高市」の戦いに
さて、自民党総裁選の実際の結果を見てみましょう。
第一回投票では高市氏が国会議員票と党員票を合わせて181票獲得し1位に、石破氏は154票で2位となりました。
それが、決選投票では石破氏が215票を獲得し、高市氏の194票に対して逆転したのです。
その背景としては、高市氏が自民党の中でも保守強硬路線として知られており、選挙の際に中間層が取りにくくなってしまうと敬遠されてしまったという事情があります。
こうして、石破氏が自民党の新総裁となり、その後、国会で総理大臣に選ばれたのです。
総裁選を経て自民党は対立が激化
ただ、決選投票における石破氏と高市氏の票数はたったの21票差。
石破氏は党内融和のために、接戦を繰り広げた高市氏をどのように処遇するかが注目されていました。
しかし、石破氏は高市氏に総務会長という、重職ですがあまり目立たないポジションを打診。
高市氏は役職を断り、石破政権からは距離を取る選択をしました。
一方、石破氏は高市氏を支えた保守系議員を新内閣や党役員にほとんど起用せず、党内からは不平不満の声が出ています。
自民党総裁選を経て、自民党は内部対立が激化してしまっているのです。
このような中、石破総理は衆議院を早期に解散し、総選挙に臨むと表明しました。
しかし、野党からは「石破総理が論戦から逃げた」という批判の声も出ています。
一体どういうことなのか。次回は解散に向けた政治の動きについて解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
▽YouTube=https://www.youtube.com/@bunyaarata
▽X=https://twitter.com/bunyaarata
▽note=https://note.com/bunyaarata
■ あわせて読みたい
編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)