美容業界においてはデミ コスメティクスで知られる日華化学。2024年12月期第2四半期決算(2024年1月~6月)は、売上高が260億4400万円、経常利益が20億700万円でともに半期ベースで過去最高を記録した。
業績をけん引したのは売上の7割強を占める化学品事業。DEMIブランドやODM(受託製造)で構成される化粧品事業は、減収減益となるも韓国が好調だった。
2024.08.27更新(2024.08.27公開)
日華化学2024年12月期第2四半期決算
2024年12月期第2四半期決算(2024年1月1日~6月30日)※連結
売上高
260億4400万円(前年同期比7.1%増)
営業利益
16億2600万円(同275.8%増)
経常利益
20億700万円(同161.8%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益
12億1700万円(同327%増)
※包括利益 31億7700万円(同90.2%増)
※前年の中間は減収減益で、特に利益は営業利益が前年同期比68.8%減、経常利益が58.0%減、純利益が73.1%減と落ち込んだ。その反動で今回は営業利益が275.8%増、経常利益が161.8%増、純利益が327%増と大きな数字になっている
セグメント別の業績概要
セグメント | 売上高 (百万円) | セグメント利益 (百万円) |
化学品 | 19,186 (11.8%増) | 1,856 (317.5%増) |
化粧品 | 6,707 (1.7%減) | 675 (20.6%減) |
その他 | 150 (ー) | △9 (ー) |
主力の化学品事業は、繊維化学品、クリーニング薬剤、半導体加工薬剤のいずれも売上を伸ばした。
化粧品事業は、ODMを手がける100%子会社の山田製薬において大口受注が減少したことやデミ コスメティクスの既存品の落ち込みが響き、売上高は前年同期比1.7%減の67億700万円だった。
国内化粧品事業は2億7600万円の減収となったが、デミ コスメティクスの新メンズブランド「キャラバン」や「XFLEEK(エクスフリーク)」は好調な動きを見せた。
韓国化粧品事業は7400万円の増収。デミコリアのヘアカラーシェア拡大や韓国専用ヘアケアの伸長が成長に寄与した。
フローディアからデミ初の酸性ストレート
上期は苦戦した化粧品事業だが、下期はデミ コスメティクスから大型新商品が投入される。
9月5日より、デミ コスメティクスの最高峰ヘアケアブランド「フローディア」の最上位ラインと位置づける「フローディアモア」を発売する。
デミ初となる酸性ストレート、マルチに補修するシステムトリートメント、ホームケアの全15アイテムを取りそろえる。
また、化粧品の新工場についても計画を進めている。デジタル化によって24時間稼働できる省人型のスマートファクトリーで、完成すれば生産能力が4倍になる。2027年に本格稼働の計画で投資額は195億円を見込む。
通期業績予想を上方修正
2月に公表した予想から営業利益7億円、経常利益10億円、純利益4億円の上方修正を行った。
化学品事業の収益が改善され、営業利益と経常利益は過去最高となる見込み。売上高は全体では変更なしだが、うち化粧品事業については期初予想からやや下方修正して140億円とした。
2024年12月期(2024年1月1日~12月31日)※連結
売上高
535億円(前年同期比6.6%増)
営業利益
32億円(同56.9%増)
経常利益
37億円(同46.3%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
22億円(同30.1%増)
■ あわせて読みたい
文/大徳明子