金利や為替の影響で大暴落した日経平均株価。
しかし、その後に株価が大幅に上昇するなど、乱高下を繰り返しています。
今回の「週刊タイパニュース」では、株価乱高下の正体について解説します。
株価は史上最大の大暴落から急騰
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
前回、株価が大暴落した背景には円高によって輸出関連銘柄が売られたことや、アメリカ経済の減速が日本にも影響を与えたことについて解説しました。
しかし、8月5日に4451円安という史上最大の下げ幅を記録した株価は、翌日6日には過去最大の上げ幅である3217円高となりました。
なぜここまで大きく株価が乱高下しているのか。 今回はその正体について見ていきます。
乱高下はなぜ起きたのか?
5日に大暴落した株価が、6日に急騰した理由。
ざっくりとした結論から先に言うと、5日に下がり過ぎたため、6日に上がったのです。
5日に株価は大暴落しましたが、では、円高によって輸出企業が立ち行かなくなるほどの大打撃を受けたかというと、そうではありません。
また、アメリカも失業率増加によって経済危機に陥っているかというと、そこまでではないでしょう。
あくまで、そのときの傾向として円高、アメリカ経済の減速というものがあり、そのトレンドに沿って株が売買された結果、実際の経済はそこまで落ち込んでないにもかかわらず、株がどんどん売られてしまったのです。
その反動から6日には株の買い戻しが発生したと見られています。
背景にはAIによる高速取引も
実体経済を離れて、ここまで大きく株価が揺れ動いた背景には、AIによる高速取引があると言われています。
最近では、AIが株の値動きをもとに判断し、1秒間に数千件もの株の売買をするそうです。
その結果、株価が下落すると一気にAIが株を売り、株価が上昇すると一気にAIが株を買う。
そのため、これまで以上に株価は大きく乱高下するようになってしまったわけです。
NISAなどの投資への影響は?
株価がこうも不安定に揺れ動くと、NISAなどの投資を控えようと考える人もいるかと思います。
ただ、これまで説明した通り、乱高下は実体経済を離れた形で起きており、経済に一定の堅調さがあれば、株価はまたもとに戻っていきます。
NISAは長期投資による資産形成が前提となっており、一時的には大幅な株価の乱高下があっても、10年20年という長期で見れば、株価は右肩上がりをしていくと見られています。
そのため、長期目線で投資信託などをやっている場合は、そこまで今回の株価乱高下は気にしなくて良いでしょう。
一方、短期で株の売買をして稼いでいる人にとっては、最近の株式市場はギャンブル性がより強くなっています。
投資にはリターンがあれば、リスクもつきものですので、株価に関する基礎基本を押さえながら、慎重に判断していく必要があるでしょう。
次回はまた別のニュースについて解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)