最近、日経平均株価が大きく下がったり上がったりしたことがニュースになりました。
その背景には一体何があるのか。
今回の「週刊タイパニュース」では、株価と経済の動きについて解説します。
史上最大の下げ幅を記録
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
8月5日に日経平均株価が4451円安という史上最大の下げ幅を記録しました。
読者の中にも、NISAで株や投資信託に投資していて被害を受けてしまった人もいたのではないかと思います。
この株価の大暴落はなぜ起きてしまったのでしょうか?
円高が輸出産業に打撃
要因は大きく2つあります。1つは円高。もう1つはアメリカ経済の減速です。
円相場と株価の関係については以前、「株価がバブル超え!その背景は?」でも解説しました。
円安であるほど日本製品が海外にとって割安となり、輸出企業にとって追い風になります。一方で、海外から輸入した製品は割高となるため、国内では物価高が起きています。
こうした中で、政府日銀は物価上昇を抑えるために利上げを実施。
その結果、円高が起き、輸出企業にとって逆風になるだろうと投資家の間で売り注文が広がってしまったのです。
(金利と円相場の関係については「円安とは何か?」「円安株高はいつまで続くのか?」でも解説しているので、こちらも参考にしてください)
アメリカ経済の減速も影響
そして、もう1つの理由であるアメリカ経済の減速。
アメリカでは物価高を抑えるために高金利政策をとっていたわけですが、それ故に経済に冷や水を浴びせるような状況が続いていました。
結果、アメリカの失業率が予想を上回る4.3%となり、景気後退が危惧されるように。
その中で、アメリカの株価の指標であるダウ平均株価が大暴落し、それが日本だけでなく、世界の株価に影響を与えたと言われています。
日経平均株価にダブルパンチ
日本では物価高を抑えるための利上げによって円高となり、輸出産業に打撃。アメリカでも高金利政策によって失業率が悪化し、株価が大幅下落。
このダブルパンチが日経平均株価に直撃し、大暴落となってしまったのです。株価と金利と為替というのが密接に関わっていることが今回のニュースからは伺えます。
しかし、その後に株価は大幅に上昇し、乱高下を繰り返しています。
なぜ株価はその後も大きく揺れ動いているのでしょうか。
次回はその後の株価の動きについて解説します。ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)