化粧品のOEM/ODM大手の日本コルマー株式会社は2024年6月1日付で、TOA株式会社へと社名を変更した。同日付で本社も移転した。
原点と未来を表す新社名
新社名のTOAは「Total Outsourcing Access(トータル・アウトソーシング・アクセス)」の頭文字をとったもの。
トータル・アウトソーシングには「より多様な業務委託にも一括して応えていく」、アクセスには「常に安心・信頼をもってアクセスしていただける会社であり続けたい」との意味を込めた。
化粧品OEM/ODM会社であるという原点を再確認するとともに、次世代へのステップアップを目指す。
大正元年創業、年商600億円のOEM/ODM企業
同社の歴史は、神崎義⾂氏が大正元年(1912年)に⾦陵園を設立したことから始まる。
当時はローゼンやシラホなどの化粧品ブランドを展開していたが、第二次世界大戦末期の大阪大空襲で工場を失う。戦後は、化粧品の受託製造業に特化して再出発した。
現在は神崎義英氏が社長を務め、売上高が635億8000万円(2024年3月期)、社員数が2264名(2024年5月現在)の国内有数のOEM/ODM企業となっている。
米・コルマー社に追いつき、提携を発展的解消
日本コルマーという旧社名は、米・コルマーラボラトリーズ社にちなんだもの。
1968年(昭和43年)に、当時は世界一の化粧品OEMグループの一員だったというコルマーラボラトリーズ社と技術提携契約を締結し、1972年(昭和47年)に日本コルマーへと社名を変更した。
1980年代後半には年商100億円を超え、売上と技術ともにコルマーラボラトリーズ社に並んだことから、提携を発展的に解消。以来、社名の変更を検討してきたという。
本社移転にともない社名を変更
しかしながら、製造販売元の社名や住所は容器に表示されるため、顧客の化粧品メーカーへの影響を思うとOEM/ODM企業としてはなかなか踏み切れなかった。
ところが今回、入居するビルの建て替えにより本社の移転が決まり、合わせて社名を変更するに至ったという。
同社は20期連続で増収を続けており、今年10月には、茨城・結城に新工場が完成して生産体制がより強化される。
社名変更を機に、次の100年に向けて経営体制をさらに盤石にし、「喜び」と「美」をあわせた「ヨロコ美」を提供していく。
なお本社は、大阪・淀屋橋に移転した。
▽本社住所=〒541-0041 大阪市中央区北浜三丁目5番29号日本生命淀屋橋ビル17階
■ あわせて読みたい
文/大徳明子