多様性のある若者の文化を理解し共感・共有したいと、「UNDERSTAND(アンダースタンド)」をトレンドヘアのテーマにした全国理容生活衛生同業組合連合会(全理連)。
2024年7月3日に開かれた「Hair Creation(ヘアクリエーション)2025」の席上、中央講師会の木下裕章幹事長が改めて狙いを示した。
「若年層のなかでさらにターゲットを絞る」
バーバーブームなどはあったものの、理容室の来店客の年齢層は依然として高い。若年層や女性客の取り込みは長年の課題だ。
木下幹事長は「UNDERSTAND」で狙うターゲットについて「高校生や専門学生、大学生といった若年層。その中でもさらにファッションや音楽などのユースカルチャー(若者文化)に興味のある若者に絞る」と明言する。
これを踏まえ、ロック&ユースカルチャーをイメージしたデザインをつくりあげた。技術的には、スクリューパーマが要となっている。
>> 全理連、2025年ヘアトレンドは「UNDERSTAND」 若者文化やアートを“理解”
若年層や女性客の取り込み強化へ
木下幹事長は明治27年から続く老舗ヘアサロン「KINOSHITA GAIEN EAST STREET(キノシタガイエンイーストストリート)」の5代目。
理容師と美容師のダブルライセンス保持者で、男女どちらのクリエイティブにもくわしい。ヘアショーで活躍し、年間に80件以上の講習をこなしている。
中央講師会でつくった「UNDERSTAND」のヘアスタイル写真や動画は、全理連の会員に広く提供する。各理容室のホームページやSNSに掲載し、若年層や女性客の集客に活用される予定だ。
新教育委員長は神奈川・船津博司氏
なお、全理連は5月に役員改選を行っており、教育委員長には船津博司氏(神奈川組合理事長)が就任した。
この日が新体制で初めての研修会。木下幹事長は「過去3年間、ヘアトレンドの作品づくりは、山本前教育委員長がチーフを務めてきた。今年は山本前教育委員長がつくった最後の作品になる」と前任者をねぎらった。
■ あわせて読みたい
>> 全理連、2025年ヘアトレンドは「UNDERSTAND」 若者文化やアートを“理解”
>> 理美容師の実技試験・実習見直しへ 厚労省の「理容師・美容師専門委員会」スタート
>> 「全国理容生活衛生同業組合連合会(全理連)」の記事をもっと読む
取材・文/大徳明子 撮影/高橋成自