支持率が低迷し、窮地に立たされてしまっている岸田文雄首相。
そもそも、なぜここまで国民からの信頼を失ってしまったのでしょうか。
今回の「週刊タイパニュース」では、岸田首相のこれまでの歩みについて解説します。
岸田首相から総理を代える!?
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
さて、9月に予定されている自民党総裁選では総理大臣を岸田文雄首相から代える動きが自民党内で活発化しています。
今の岸田政権では支持率が低すぎるので、トップを代えて次期衆院選に備えようということですね。
しかし、なぜここまで岸田首相の支持率は低くなってしまったのでしょうか。
裏金問題と相次ぐ増税
原因は大きく2つあります。
1つは自民党内で明らかになった裏金問題。
こちらについては週刊タイパニュース第8回から第12回にわたって詳しく解説しているので、こちらを見ていただければと思います。
裏金という違法行為が行われた一番の舞台は安倍派(清和会)でしたので、岸田首相としては少しとばっちりを受けた部分もあるかもしれません。
ただ、もう1つの理由は完全に岸田首相本人の責任だと言えるでしょう。
それは相次ぐ増税、国民負担の上昇です。
「増税メガネ」と呼ばれた理由
岸田首相に「増税メガネ」というあだ名がついてしまったことは、皆さんもご存じだと思います。
そのきっかけは、2022年末に決定した、防衛費の増額に伴う防衛増税です。
日本は防衛力を強化するため、防衛費を2027年度に、従来の2倍以上である11兆円にまで段階的に増やすことを決めました。
そして同時に法人税、復興所得税、たばこ税を増税することを決めたのです。
また、それだけではなく、零細個人事業主にも厳密に消費税を徴収するインボイス制度の導入。
少子化対策に充てる子育て支援金の創設(第26回で解説)なども相次いで行っています。
これらは税率を上げているわけではないため、厳密には増税ではありませんが、国民の負担を増やす「ステルス増税」だと批判されています。
本当に必要な増税なのか?
増税しても、きちんと国のため、国民のためにお金を有効活用しているなら良いでしょう。
しかし、2023年度に計上された防衛費のうち1300億円が使い残されたことが明らかになりました。
余った予算は翌年に繰り越されますが、防衛費を増やすという数字にこだわりすぎた結果、使い残しが発生したという状況を見ると、本当に必要な増税なのかと首を傾げてしまいます。
しかも今は未曽有の物価高。
その中で国民の負担を増やすという政策判断を続けている岸田政権に批判が高まっているものと見られます。
次回は岸田首相に反旗を翻す動きについて解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)