2016年の発売以来、複数回のリニューアルを重ねてきたアテニアの「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ」。累計販売本数が1900万本を超える大ヒット商品だ。
2023年11月のリニューアルでさらに支持を伸ばし、「@cosme(アットコスメ)ベストコスメアワード2024上半期新作ベストコスメ大賞」に輝いた。授賞式の席上、保坂嘉久社長がその強みと展望を示した。
値上げしても「価格を上回る品質のよさ」で支持された
「スキンクリア クレンズ オイル」はメイクを落とすだけでなく、くすみの原因となる”肌ステイン”を洗い流せるという‟美容オイルで出来たクレンジング料”として誕生した。
2カ月使える想定の175mLを主軸に、350mLの大容量のエコパックをそろえる。リニューアル前の6月時点での累計販売本数は約1250万本(エコパックは2本換算)。それがリニューアル後は1.5倍の1900万本へと大増した。
リニューアルにあたり、角層をほぐして次に使うスキンケアの浸透を高めるブースター機能を搭載。価格は100円ほどアップの175mL・1980円になった。
2024年6月6日に東京・原宿のLIFORK Harajukuで開かれた授賞式で、保坂社長は「値上げをしたが、価格を上回る品質のよさが支持された」と述べた。
ほぼ2000円という値付けは、ドラッグストアのメイン価格帯よりも高く、プレステージブランドに並ぶが、「むしろ、それが追い風になった」という。
「お客さまがコスパをシビアに見極める時代だからこそ、プレステージブランドと同等の品質をお求めやすい価格で提供したことで、喜びの口コミを多くいただいている」
大々的な広告を打たずとも口コミで新規顧客獲得
アテニアは販路を限定しており、大規模な広告も打たない。
「なかなかお客さまに認知されづらいブランドだが、『スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ』は、高評価の口コミがたくさん寄せられる。口コミが認知度の向上につながり、新たなお客さまを呼んでくれている」
最後に「化粧品業界の動向として、さらにジェンダーレス・ボーダーレス化が加速すると見ている。これからもお客さまのインサイトに響く商品を開発し、年間ベストコスメ総合大賞獲得を目指す」と抱負を述べ、受賞スピーチを締めくくった。
今後はキリンHD傘下に
なお、アテニアの親会社であるファンケルは、キリンホールディングスの完全子会社になることが決まった。
キリンは元々ファンケルに約33%を出資していたが、残りの全株式をTOB(株式公開買い付け)で取得すると発表。ファンケルも6月14日付でTOBへの賛同を表明した。
キリン傘下で、ファンケルやアテニアがどのように発展していくのか、今後の動きに注目が集まる。
■ あわせて読みたい
>> アットコスメ2024上半期ベスコス 大賞はアテニアの美容クレンジング、国産・中価格帯が席巻
取材・文・撮影/大徳明子 撮影/岡田真麻