月刊誌「HAIRMODE（ヘアモード）」などを刊行する女性モード社の全株式を、ビューティガレージが2024年4月30日付で取得した。

これにより、女性モード社はビューティガレージの連結子会社となる。

創業60年を超える老舗の美容業界専門出版社

女性モード社は1960年（昭和35年）の創業以来、高度成長期から現在に至るまでの日本の美容文化を美容師に届けてきた。

現在の月刊誌は、ヘアスタイルの情報や技術を取り上げる『ヘアモード』と、経営情報に重点を置いた『美容の経営プラン』の2誌。加えて技術本や美容室経営に関する専門書籍、動画コンテンツ、また近年は電子書籍やデジタルメディアを提供している。

2023年1月には、エステティシャン向けメディアを運営する美容経済新聞社が、女性モード社株式の議決権を100％取得。美容経済新聞社の花上哲太郎社長が女性モード社の代表取締役会長に就任し、女性モード社のベテラン編集者である小池入江氏が代表権のない取締役社長を務めていた。

今回のビューティガレージグループ入りに伴い、花上氏は退任し、小池氏が代表取締役社長に就任する。

新たな形で価値を最大化

ビューティガレージでは「美容業界においては、体系的にまとめられた公平性の高い情報にはまだまだ大きな価値があり、業界プラットフォームとして盤石な顧客基盤を持つ当社が、新たな形でその価値を最大化できると考えている」としている。

また背景として、“モノ”と同時に“情報”が提供されるという慣習が根強く、ディーラーと美容サロンの比較的クローズドな間柄で“情報”がやり取りされているため、“情報”の流通について業界内格差や偏りが大きく、ここを課題だと捉えているという。

“モノ”の流通に新たな選択肢をつくるべく、美容従事者にとってフェアでオープンなECプラットフォームを築いてきたビューティガレージ。

その自負のもと、“情報”についても、女性モード社が持つメディアとしてのブランド力、およびデジタル化の加速によるノウハウ・ナレッジの価値を高めることで、美容業界の発展に寄与していく考えだ。

文／大徳明子