電気料金が大幅値上げ! 宮原健太の週刊タイパニュース(32)

特集・インタビュー
電気料金が大幅値上げ! 宮原健太の週刊タイパニュース(32)

国民への定額減税が行われる6月ですが、一方で電気料金が大幅に引き上げられることもニュースになっています。

物価高が続く中、私たちの身の回りの経済状況はどうなっていくのか。

今回の「週刊タイパニュース」では、電気料金の引き上げについて解説します。

お財布事情が苦しくなるニュース

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

前回は6月に実施される減税という「良いニュース」をお届けしましたが、今回は私たちのお財布事情が苦しくなる「悪いニュース」についての解説になります。

テーマはずばり、電気料金の大幅な引き上げです。

地域によっては昨年と比べて4割以上の値上げとなるところもあります。

電気料金が大幅に上がる原因

なぜ6月に入って電気料金が急激に上がってしまうのか。要因は大きく2つあります。

1つは政府が実施してきた補助金が5月末で終了するというものです。

ロシアによるウクライナ侵攻以降、世界的にエネルギー価格の高騰が起きており、政府は「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施し、補助金を使うことで電気料金を抑えていました。

しかし、ウクライナ侵攻から2年以上が経過した現在、エネルギー価格も落ち着きを見せたということで、政府は補助金の終了を決めたのです。

背景には再生可能エネルギーも

さらにもう1つ、電気料金を引き上げている要因があります。

それは、再エネ賦課金の増加です。

正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言い、日本では再生可能エネルギーを普及するため、再エネで発電された電気は電力会社が一定の価格で買い取ることが定められています。

実は、物価高の中でこの買い取りの単価が今年の4月から上がっているのです。

この影響は4月使用分(5月請求分)から既に出ているのですが、このまま6月使用分(7月請求分)にも大きく反映されることとなります。

電気料金上昇の背景には補助金の終了と再エネ賦課金の増加がある

地域ごとに値上げ幅が違う理由

そして、一番気になる値上げ幅ですが、地域ごとに差があります。

標準的な家庭の電気料金は、東京は昨年同月よりも20.9%高い8930円、関西は46.4%上昇の7664円と割合が最も高く、次いで九州の43.8%高い7551円となると発表されています。

値上げ幅に差が出ている理由ですが、関西と九州では原発の再稼働が行われており、これまでの電気料金が低く抑えられていた分、値上げされた際の割合が大きくなってしまっているという事情があります。

そのため、値上げ後の金額を比べた場合、関西や九州よりも東京のほうが高くなっていることが分かります。

しかし、いずれにしてもこれから夏本番を迎える中、電気料金が大幅に上がるのは私たちにとって打撃となるでしょう。

減税が行われる6月ですが、一方で出費がかさむことも予想されます。

物価高が続く中、財布の紐が緩くなる景気の良い状況はまだ先になりそうです。

次回は、また別の話題について解説します。

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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