カリスマ美容師ブームをけん引した一人であり、名門サロンapishの創業者で代表の坂巻哲也氏が、2024年3月29日に逝去した。享年62歳。
スタッフに見守られ永眠
apishは4月7日に訃報を発表し、「かねてより病気療養中でございましたが、スタッフに見守られながら安らかに永眠いたしました」と伝えた。
apishスタッフのメッセージ
坂巻は生前
もう一度現場に戻って
お客様を担当させていただきたいと
強く思っており
その思いを最後まで諦める事なく
精一杯生き抜きました
今後は坂巻の 意思 技術 を継承した
スタッフがapishを守って参りますので
変わらずのご愛顧を宜しくお願い申し上げます
電話などでのお問い合わせは遠慮願うとのこと。
美のプロフェッショナルとして多方面で活躍
坂巻氏は1962年12月16日生まれ。千葉県出身。1998年、原宿にapishの1号店をオープン。現在はサブブランドのJENO2店をあわせて11店舗となっている。
2001年10月に放送開始した『B.C.ビューティー・コロシアム』(フジテレビ)では、“美のプロフェッショナル”として出演。サロンワーク、セミナー、クリエイティブと活躍の幅は広く、YouTubeやテレビ通販番組など新しいものに常に挑戦し続けた。
昨年、新たなかたちで蘇ったシザーズリーグにも審査員として参加。美容業界を盛り上げ、後進が希望を持てるようにしたいと話していた。
>> 令和の「シザーズリーグ」始動! レジェンド美容師が再戦、次世代のカリスマ美容師を発掘
編集部より
あまりに早い訃報に言葉を失いました。とても温かく優しく、あとに続く若い人のためにということを真剣に考えていらっしゃる方でした。
新しいことに果敢に挑戦される方で、音声配信SNSのClubhouseが流行したときは、この新しいSNS上で、誰でも参加しやすいクリエイティブコンテストを行われていました。回数は定かではないのですが、ぜんぶで10回ほど行ったでしょうか。
審査員は、坂巻さん、SAYURIさん(ステップボーンカット協会代表理事)、黒川たくやさん(フォトグラファー)と不肖、ビュートピア編集長の大徳の4名で務め、下記のような仕組みで行い、100名ほどの方に視聴いただいていました。
生配信なので、別ルームを設けて審査員で会話するのですが、そこでの会話も実際の講評も、挑戦する若手、今からでもチャンスがあるならつかみたいという年齢を重ねた挑戦者への配慮がとてもきめ細かく、そのメッセージは温かく、坂巻さんがなぜ多くの方に慕われるのかが、とてもよくわかりました。人に伝えるには育てるにはこういうことが大切なのだと勉強させていただきました。
心よりお悔やみ申し上げます。
文/大徳明子