日本の家族に関する法律が大きく変わろうとしていることを皆さんはご存じでしょうか。
現在、国会では「共同親権」という制度を日本に新しく導入するための議論が進んでいます。
今回の「週刊タイパニュース」では、この共同親権について解説します。
日本の家族のあり方が大きく変わる!
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
みなさんはニュースで「共同親権」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
現在、国会では家族のあり方について定めた民法を改正し、共同親権というものを新しく日本に導入するための議論が行われています。
特に子どもを持つ両親が離婚する際に、親権のあり方がこれまでと大きく変わることになるのです。
そもそも親権とは何か?
共同親権について理解するためには、まずは親権について理解しなければいけません。
親権というのは、法務省のHPで「子どもの利益のために、監護・教育を行ったり、子の財産を管理したりする権限であり義務である」と説明されています。
ここで重要なのは、親権というのは「権限(=権利)」だけでなく、「義務」も含まれるということです。
国民の三大義務の1つに「教育の義務」がありますが、子どもの親権者はきちんと教育を受けさせたり、養育したりする義務が生じるのです。
共同親権と単独親権
そのうえで、共同親権について説明すると、「父と母の双方が共同して親権を持っていること」となります。
逆に、「父と母のどちらかだけが親権を持っていること」を単独親権と言います。
当たり前ですが、結婚している両親はどちらも親権を持っているため、共同親権となります。
ただ、日本において問題となるのは子どもを持つ両親が離婚した場合なのです。
離婚後は単独親権しか認められていない
日本では両親が離婚した場合、親権は父母のどちらかしか持つことができません。
つまり、離婚後は共同親権が認められておらず、必ず単独親権となってしまうのです。
そのため、子どもの親権争いが起きてしまうことや、親権を持たない方の親が養育費の支払いを拒否して問題化してしまうことも多くあります。
また、海外においては共同親権が認められているのが一般的で、日本のように単独親権しか認められていない国はごく少数となります。
こういった事情もあり、日本で新たに共同親権が認められる方向となったのです。
また、共同親権の導入の背景には「子どもの連れ去り」という社会問題もありました。
次回は、この「子どもの連れ去り」と共同親権について解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)