これからの都政を左右する東京都知事選は、投開票が7月7日に迫っています。
各候補が舌戦を繰り広げる中、選挙戦ではこれまでの小池都政の是非についても問われることになります。
今回の「週刊タイパニュース」では、都政の課題について解説します。
小池都政の是非も焦点に
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
いよいよ東京都知事選の投開票日が7月7日に迫りました。
読者の中にも、すでに期日前投票を済ませた都民の方もいるかもしれません。
さて、この都知事選では8年間にわたって都知事を務めてきた小池百合子氏の都政の是非も焦点となります。
そこで、今回は都政の課題について解説をしていきます。
小池氏が掲げていた公約とは?
そもそも小池氏はどのような方針のもとで、都知事を2期8年にわたって務めてきたのか。
その指標になるものとして、小池氏が2016年の都知事選で掲げた公約「7つのゼロ」があります。
具体的には、ペット殺処分ゼロ、待機児童ゼロ、満員電車ゼロ、残業ゼロ、介護離職ゼロ、都道電柱ゼロ、多摩格差ゼロ――の7つです。
これらの公約は達成することができたのでしょうか。
「7つのゼロ」は達成できたのか?
公約の進捗は「大幅に改善」「緩やかな改善」「悪化」の大きく3つで評価できます。
大幅に改善したと言えるのは、ペット殺処分ゼロと待機児童ゼロです。
ペットはボランティア団体と協力して譲渡会を増やすことで2018年には殺処分0匹と公約達成。
また、待機児童は国も改善を強く推し進めたこともあり、2016年には8466人だったものが、2023年には286人になるなど大幅に減少しました。
緩やかな改善と言えるのは満員電車ゼロ、都道電柱ゼロです。
どちらも多少の改善が見られますが、まだまだゼロには程遠いと言えるでしょう。
そして逆に悪化してしまったのが残業ゼロと介護離職ゼロ。
コロナ禍の影響で都職員の残業時間は増えてしまい、少子高齢化の中で介護離職者は倍近くに膨れ上がっています。
また、多摩格差ゼロについては具体的な目標値がなく、達成状況は不明となっています。
山積する東京都政の課題
このように小池氏の公約は達成率がまちまちとなっていますが、それ以外にも都政の課題はさまざまあります。
東京都の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子供の人数)は0.99で過去最低となり、全国平均を大きく下回りました。
また、都庁のイルミネーションにかかる費用を別の予算に回すことや、明治神宮外苑の再開発についても争点になっています。
こうした中、小池都政の8年間を是とするか否かも都民は問われているのです。
次回はまた別の話題について解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)