資生堂の2023年12月期決算(2023年1月1日〜12月31日)は、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比39.6%減の281億3300万円だった。
日本製品不買運動の影響で、中国やトラベルリテール事業が落ち込んだ。化粧品メーカーで唯一の1兆円企業だったが、前年から8.8%減の9730億3800万円にとどまった。
資生堂2023年12月期決算
2023年12月期第4四半期(2023年1月1日~2023年12月31日)※連結
売上高
9730億3800万円(前年同期比8.8%減)
コア営業利益
398億4200万円(同22.4%減)
営業利益
281億3300万円(同39.6%減)
当期利益
241億7700万円(同35.7%減)
親会社株主に帰属する当期純利益
217億4900万円(同36.4%減)
※包括利益 594億8800万円(同33.2%減)
セグメント別の業績概要
日本事業は、マーケティング活動の強化やインバウンド需要の増加により、着実に伸長した。
一方、中国事業ではALPS処理水の海洋放出による日本製品買い控えなどの影響を受け、通期で減収となった。
事業 | 売上高 (百万円) | コア営業利益 (百万円) |
日本 | 259,900 (9.4%増) | 1,840 (−) |
中国 | 247,921 (4.0%減) | 6,967 (−) |
アジアパシフィック | 67,283 (1.1%減) | 5,069 (7.5%増) |
米州 | 110,294 (20.0%減) | 11,200 (46.2%増) |
欧州 | 116,949 (8.9%減) | 3,345 (51.7%減) |
トラベルリテール | 132,525 (19.0%減) | 17,111 (54.6%減) |
その他 | 38,163 (48.1%減) | △23,330 (−) |
収益性改善に向けた取り組み
資生堂は2024〜2025年に、400億円を超えるグローバルコストの圧縮に取り組む。2024年上期中に主要なアクションを行い、2025年に削減効果を発揮させる計画。
また中国やトラベルリテール(アジア)市場の位置づけを「高成長」から「緩やかな成長」に変更した。市場の変化に対応して、富裕層に向けたハイプレステージ領域への投資を強化する。
通期の業績予想
2024年12月期(2024年1月1日~2024年12月31日)※連結
売上高
1兆円(前年同期比2.8%増)
コア営業利益
550億円(同38.0%増)
税引前利益
325億円(同4.7%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
220億円(同1.1%増)