日本の政治の世界では、1月26日から国会が始まりました。
国会については学生の頃に社会科の授業で勉強した記憶があると思いますが、実際にどのような議論をしているのかはよく分からないですよね。
そこで、「週刊タイパニュース」では、国会の仕組みについて解説をしていきます。
国会が始まりました
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
1月26日から、日本中の政治家が一堂に会して議論する、国会が始まりました。
ただ、国会で具体的にどのような議論をしているのかは、よく分からない人も多いと思います。
そこで、今回は国会の仕組みについて説明します。
通常国会とは何か
まず、26日から開かれているのは通常国会というものです。
1年に1回開かなければならないと憲法で定められていて、国会法という法律では、原則1月中に召集し、会期は150日間と決まっています。今回は6月23日までです。
この通常国会では冒頭、総理大臣が今年の政治の目標について語る施政方針演説というものが行われ、その後、各党の代表による代表質問が実施されます。
今回は1月30日に岸田文雄首相の演説があり、1月31日から2月2日にかけて代表質問が行われる予定です。
ただ、この代表質問は1人の持ち時間が15分から35分と長く、与野党各党による演説と、それに対する首相の演説返しという形に近いです。
1問1答を繰り返して、丁々発止の議論をする本格論戦は、その後の委員会審議というところになります。
国会で最初に議論されるものとは?
さて、この国会ですが、立法府とも呼ばれていることからも分かる通り、基本的には私たちを取り囲むルールである法律の案、法案について議論しています。
ただ、この通常国会で最初に議論されるものは、法案ではなく、予算案です。
以前、「経済対策は国会でどう議論されているの?」で説明した通り、政府は勝手に国のお金を使うことができません。
お金を使うためには予算案を国会で可決、成立させる必要があり、この決まりを財政民主主義と言います。
1年間の予算案をじっくり審議
そして、通常国会で最初に議論される予算案は、政府が来年度の1年間で使うお金が全て記されている、来年度予算(当初予算、本予算とも)に関するものです。
今回提出された来年度予算案は、総額112兆5717億円。
政府が1年間かけて使うお金なだけあって、途方もない額ですよね。
そのため、この予算案審議は3月末までの約2カ月ほどをかけて議論されることになるのです。
次回は、予算案や法案がどのように成立していくかについて解説していきます。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)