裏金はなぜ作られたのか? 宮原健太の週刊タイパニュース(10)

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裏金はなぜ作られたのか? 宮原健太の週刊タイパニュース(10)

政治の世界で話題となっている裏金問題とは何なのか。前々回の記事「政治資金、裏金とは何か?」と前回の記事「裏金はどのように作られたのか?」では、その内容や仕組みについて説明していきました。

今回は、そもそもなぜ裏金が作られてしまったのか。その理由について見ていきたいと思います。

週刊タイパニュース」の連載第10回では、裏金となったお金が何に使われていたのか解説します。

裏金問題でついに逮捕者も

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

前々回と前回では裏金問題とは何なのか、そもそも、政治に使うお金はどのように管理されているのかというところから解説してきました。

この裏金問題ですが、現在進行形で問題はどんどん大きくなっています。

7日には政治資金収支報告書に虚偽記載をしていたとして、池田佳隆衆院議員とその秘書の2人が政治資金規正法違反容疑で逮捕されました。

一部報道では、同じ容疑で他にも国会議員が立件される見通しだと言われています。

一体どのくらいの数の議員が罪に問われることになるのか。注目が集まっています。

なぜ裏金を作っていたのか?

どうして、このような法違反を犯してまで、裏金を作ってしまっていたのでしょうか。

これまで解説した通り、裏金問題とは、収支報告書にきちんと記録をつけなければならない政治資金の一部が、記録がつけられずに何に使ったか分からないお金、裏金になっていたというものでした。

何に使ったか分からないということは、何に使っても咎められないということでもあります。

裏金で私腹を肥やしていた?

そのため、「裏金を作ることで私腹を肥やしていたのでは」と考えることもできるでしょう。

実際に、今回逮捕された池田議員は、裏金を飲食費に使っていたとみられると報道されています。

支出が記録される政治資金を個人的な飲食などに使っていた場合、その用途が後から批判される恐れがあります。

しかし、裏金ならバレないため、何にでも使いたい放題ということです。

選挙対策で配られたという話も

ただ、他にも裏金の使い道があったのではないかと見られています。それは地方議員に配るお金です。

各地方から選出されて中央政界で仕事をしている国会議員にとって、地元に根を張って活動している地方議員はなくてはならない存在です。

彼らの力がなければ、地元で十分な政治活動や選挙活動ができないと言っても過言ではないでしょう。

そして、国会議員が選挙に勝つためには地方議員の尽力が必要不可欠なわけですが、その対価としてお金を配っていたのではないかというのです。

もし、選挙で応援してもらうためにお金を配っていたとしたら、それは買収となって公職選挙法違反となります。

しかし、すでに一部の議員が「裏金を地方議員に配っていた」と説明しているという報道もあり、この裏金問題の闇の深さが伺えるのです。

裏金は私的な飲食や、地方議員に配るお金に使われていたと見られている

さて、この裏金問題、一体どこまでの国会議員が罪に問われることになるのでしょうか。

次回は、検察の捜査について解説します。

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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