最近、テレビニュースで「裏金」という言葉を聞く機会が多くなったのではないでしょうか。
政権を担っている自民党で、派閥が開いた政治資金パーティーの収入を過少記載し、各議員にキックバックして裏金になっていることが政治の世界で大問題となっています。
しかし、そもそも「裏金」「政治資金」とは何なのか。問題が起きていることは分かるけれど、何が問題なのかは分かりにくいですよね。
そこで、「週刊タイパニュース」では政界を揺るがしている裏金問題について取り上げていきます。
記者VTuberとしても活動するジャーナリストの宮原健太(ブンヤ新太)さんが、ニュースについてサクッと解説します!
5億円も裏金が作られていた!
こんにちは! ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
最近、自民党の派閥や国会議員が裏金を作っていたとして、検察からの捜査を受けて連日ニュースになっています。
その額は、清和会(安倍派)という派閥が5年間で5億円、国会議員によっては1人で約5000万円の裏金を作っていたとも報じられています。
しかし、そもそも裏金とは何であり、何が問題なのかはよく分からない人も多いのではないでしょうか。
今回はこの「裏金問題」について分かりやすく解説していきます。
政治資金とは何か?
今回の問題について理解するためには、まず「政治資金」とは何かを知らなければいけません。
国会議員は日々、有権者に自分自身の活動を知ってもらうため「政治活動」をしています。
皆さんも、駅前に議員が立って、ビラを配りながら演説しているのを見たことがあるかと思います。あのような活動にもたくさんのお金がかかっています。
配るビラや街中に貼るポスターを刷るほか、拠点となる事務所を借りたり、そこで働く事務員や秘書を雇ったりするのにもお金が必要です。この政治活動に使うお金を政治資金というのです。
政治資金は記録をつけないといけない
政治資金については、政治に使うお金を透明化するため、「政治団体」から支出をして、その内容を逐一記録しなければならないとルールが決まっています。
例えば、応援したい政治家にお金を渡すことを「個人献金」と言いますが、これは政治家個人に直接渡すことは禁じられています。
そのかわり、政治家が管理している政治団体に対しては、年間で150万円まで寄付をすることが可能となっています。
そして、この政治団体に入ったお金は政治資金となり、収支報告書というものにきちんと記録をつけた上で、政治活動に支出されることとなるのです。
用語が多くて分かりにくくなってきましたが、要は、政治活動に使うお金の流れはきちんと透明化するように義務づけられているわけですね。こうした、政治資金について定めている法律を政治資金規正法と言います。
記録がない裏金が作られていた
今回の問題は、自民党の派閥や議員で集めていた政治資金の一部がきちんと記録されていなかったというものになります。
きちんと記録をつけなければ、それは政治資金ではなく、何にでも使えるお金、つまり「裏金」になってしまいます。
今回は、この裏金が意図的に作られていたのではないかと捜査されている、という問題なのです。
では、この裏金はどのように作られていたのか。
次回は、ニュースでよく聞く、政治資金パーティーやキックバックについて解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)