韓国を巡る国際情勢 宮原健太の週刊タイパニュース(7)

特集・インタビュー
韓国を巡る国際情勢 宮原健太の週刊タイパニュース(7)

日本と韓国の間にはどのような問題があるのか。前回の記事「日韓関係を巡るさまざまな問題」では、慰安婦問題や徴用工問題について具体的に説明していきました。

今回は日韓関係を超えて、韓国を巡る国際情勢について見ていきたいと思います。

週刊タイパニュース」の連載第7回では北朝鮮やロシアなどの周辺国の動向について解説します。

韓国と北朝鮮の関係が悪化

こんにちは! ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

第5回「日韓関係と韓国の政治勢力」では、韓国で政権交代が起きたことによって、大統領が親日的になり、日韓関係の改善が進んだということをお伝えしました。

一方で韓国との関係が悪化してしまっているのが北朝鮮です。

朝鮮半島の分断の歴史

韓国や北朝鮮が位置する朝鮮半島は、第二次世界大戦後にアメリカとソ連によって北緯38度線を境に分割占領されました。

さらに、1948年には大韓民国(韓国)朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)という国家となり、1950年には北朝鮮が韓国に侵攻する朝鮮戦争が勃発します。

朝鮮半島の南北分断の悲哀を歌った曲としては、「イムジン河」などが有名ですね。

ちなみに、朝鮮戦争は今も休戦中で終戦はしておらず、実は韓国と北朝鮮は戦争状態が現在進行形で続いています。

政権交代で変わる南北関係

さて、第5回でお伝えした通り、韓国には保守派進歩派という2つの政治勢力があります。

保守派は日本に対して友好的である一方で、北朝鮮には強硬的。進歩派は北朝鮮に対して友好的である一方で、日本には強硬的ということでした。

実際に、進歩派の文在寅政権のときは北朝鮮の金正恩氏と首脳会談を果たし、朝鮮半島の完全な非核化や、朝鮮戦争の終戦を目指す「板門店宣言」が発表されました。

しかし、保守派の尹錫悦政権になってからは、韓国は日本やアメリカとの軍事連携を重視。北朝鮮は反発する形になっています。

ロシアが北朝鮮に接近

こうした中で、北朝鮮との距離を縮めているのがロシアです。

ウクライナ侵攻によって国際的な孤立を深めているロシアですが、今年9月に金正恩氏がロシアを訪れ、プーチン大統領を北朝鮮に招待するなど、二国の関係は深まっています。

この背景には、ウクライナ侵攻で疲弊するロシアに北朝鮮が弾薬を提供するかわりに、北朝鮮が最新の軍事技術をロシアから受け入れるという軍事連携が背景にあるのではないかと言われています。

また、中国も北朝鮮と歴史的に関係が深いですが、台湾などを巡ってアメリカと対立が深まる中、バランスを取りつつも北朝鮮との関係を強めている傾向にあります。

韓国を巡る国際情勢は様々な思惑が絡み合っている

国際情勢は日本にも影響

このように、日韓関係が改善した一方で、韓国と北朝鮮との対立は深まり、ロシアがその隙に入り込むことで、日本の防衛にも影響を及ぼしているのです。

さまざまな国の事情や思惑が絡み合い、国際情勢は複雑になっていますが、ぜひニュースを見る上では今回の解説を参考にして頂ければと思います。

ということで、「週刊タイパニュース」第5回から第7回にかけては、日韓関係について解説をしていきました。

次回からは、また別のトピックを解説していきます。

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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