7月30日に開催された「浴衣カーニバル」。表彰式では、主催の東京美容家集団(TBA)の菊玖(kic/渋谷きく子)会長、東京都美容生活衛生同業組合(BA東京)の金内光信理事長が美容業界への提言を行い、業界活性化への協力を呼びかけた。
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TBA・菊玖会長「執行部と組合員の距離を縮め、激動の時代を乗り越えたい」
6月の役員改選で新会長に就任した菊玖氏は「初心に戻り『美容組合の皆さんに近づこう』を合言葉に(執行部と組合員の)距離を縮めて前進していきたい。激動の時代を、ぜひ皆さんの力で乗り越えていきたい」と抱負を述べた。
また「浴衣カーニバルは5回目を迎えて恒例となったが、年々レベルが上がっていると審査室でも話していた」とコンテストをふりかえった上で「今日の熱気満々の雰囲気、エネルギーを明日、サロンワークでお客さまに話していただきたい。サロンの活性化がお客さまの喜び、TBAの役割であると思っている。ぜひサロンワークまで盛り上げてほしい」と業界活性化へ願いを込めた。
BA東京・金内理事長「オリンピック選手村で各国選手に浴衣を着付ける。ぜひ皆さんのお力添えを」
続いて、BA東京の金内光信理事長が登壇。「本当に浴衣というのは綺麗でしとやかで涼しげで美しさを感じる。着物は日本の伝統文化、着付けは日本の伝承技術だ」とその素晴らしさを語った。
その上で「来年の東京オリンピック・パラリンピック選手村にBA東京が入村することが決定している。民族衣装である着物、夏なので浴衣になると思うが、これを着たいと各国の選手が強く要望することになるだろう。BA東京は約2カ月間にわたって選手村で美容室を運営していかなければならない。ぜひ皆さんのお力添えをいただきたい」と協力を呼びかけた。
「ヘアスタイルは技術。デコレーションを見せるものではない」
金内理事長はまた、コンテストともに開催された、板谷裕實氏(ITAYA主宰)による「HIROMI ITAYA オンステージ」を絶賛。
「板谷先生のショーを見て、私はつくづく感じることがあった。ヘアスタイルのショーというのはヘアの技術を見に来るものだが、最近はヘアが見えないほど大きな飾りを多くつけていて、どこが技術なのかと憤りを感じている。今日の板谷先生のショーのようなヘアそのものを見たい。飾りはデコレーションであり、ヘアの技術ではない。そんな業界にしてほしくないというのが私の願いである」
本来の技術を磨くことの大切さを、集まった組合員のサロンオーナー、浴衣フェスティバルに出場した若手スタイリスト・アシスタントに説いた。
金内理事長は、2010年より第8代理事長を務め、2018年には亜細亜理美容振興協会の初代代表に就任。2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村に組合として美容室を開くために奔走するなど、美容業界発展のために尽力してきた。
その金内理事長の苦言、何としても成し遂げなければならない選手村での美容室運営への協力を求める言葉は、聞くものの胸に重く響いているようだった。