今度は15~29歳の男性に「女性の家族(母親、姉・妹など)と化粧品をシェアすることに、抵抗感はありますか(気になりますか)」という質問をしました。
「全く気にならない」は29.2%とほぼ3割。「全く気にならない」と「あまり気にならない」の合計では7割以上に。15~29歳男性は化粧品を女性の家族とシェアすることにあまり抵抗感はないようです。
日常的に「歯磨き粉」を家族で共有するような感覚なのかもしれないですね。そのくらい化粧品の利用が、ごく当たり前なことになっているのではないでしょうか。
今度は女性に「男性がやっていたら印象が良くなる美容ケア」を聞きました。
1位は「眉毛を整える」、2位は「スキンケア」とほぼ同スコアで並びます。3位は「ヘアカラー・パーマ」です。
男性のパーマは、「髪のボリューム」や「髪がうまくまとまらない」といった悩みを解決する手段としても利用されています。パーマスタイルを職場で見る機会が増えて好印象を持つ女性も増えていることが、スコアが高い背景かもしれません。
今度は視点を変えて、美容の接客職「美容サロンやコスメの販売員(美容部員、ビューティーアドバイザーなど)」に就く男性に対する印象を男女それぞれに聞きました。
「とても良い」「良い」の合計が男性は78.6%、女性は74.7%と抵抗感はほぼないことが分かります。男性の美容部員は、ここ数年で見かけることも増えてきており、男性だけではなく女性に対する接客もごく当たり前に実施されています。
年代別に「とても良い」の割合を見ると、男女とも15~19歳が最も高いことが分かります。この世代は学校教育でSDGsについて学んでおり、ジェンダーレスに対する認識・理解が他の世代よりも高いのでしょう。
「国際男性デー」では、ジェンダー問題に関して肯定的なロールモデルとなる男性に光を当てる日でもあるそうです。美容業では(美容師・理容師を除くと)就業の女性比率が高い職業という印象をもつ人も多いでしょう。
一方で、近年は男性ネイリストや男性美容部員など男性スタッフが活躍する場としても広がっています。男性のお客さまの美容意識の向上も背景に、業界の就労においても性差に関係なく「自分らしく生き生き」と働くことができる場になりつつあるのではないでしょうか。
■ データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
■ 調査時期
2023年9月
■ 調査対象
全国の 15~59 歳の男女(女性:3,150 人、男性:1,800 人)
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)
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