⑤店販商品の購入率1位は富山県、2位は三重県
店販商品の購入率ランキングでは、1位富山県、2位三重県と、両方とも客単価がトップ5の県がランクイン。
店販の購入率の高さが客単価に大きく影響していることが分かります。そして店販の購入率のトップ5をみると、すべてローカルエリアです。ローカルエリアは都心以上に、「美容室で美容のプロから購入する商品」に対するニーズが高いのかもしれません。
店販はシャンプーやトリートメント以外にも、コスメや美容家電もニーズが高まっています。美容サロンがエリアごとの「美容のハブ(中核)」としての役割を高めるチャンスにもつながりますね。
⑥「値上げ」がいちばん多い県は?
「値上げあり・計」(顧客が「値上げがあった」「今はまだ値上げされていないが、今後値上げの予定がある」と回答した合計)の割合が高い都道府県のランキングでは、1位は三重県。
三重県は客単価が1位にランクインしていますが、今年は値上げの影響もあるかもしれません。
「値上げ・計」のランキングをみると、ローカルエリアがトップ5に並びます。ローカルエリアでは都心に比べると、これまで単価が上がる経験も少なかったのかもしれません。このため、より顧客の値上げに対する実感値が高いとも考えられるでしょう。
⑦ネイルサロンの利用1位は2年連続で沖縄県
ネイルサロン利用の1位は2年連続で「沖縄県」!
沖縄はビジネスでも「かりゆしウェア」を着用するなど、カジュアルな服装が一般的なため、美容も自由に楽しみやすい文化にあるのかもしれません。
⑧アイサロンの利用1位は大阪府
アイサロン(アイビューティーサロン)の利用1位は大阪府!
大阪府は前年からの順位も9位から1位とランクアップしています。
3位の広島県(前年12位)、5位の福岡県(前年27位)も前年から大幅にランクアップしており、大規模都市エリアでの躍進が目立ちます。大阪府、広島県、福岡県はサロン利用率の増加率も高い傾向にあることから、アイラッシュメニューが大都市エリアに広がっていることがうかがえます。
■ データ出典
・ホットペッパービューティーアカデミー
>> 「都道府県別」20代・30代女性の美容意識・実態調査2023年
■ 調査時期
2023年3月
■ 調査対象
全国の20~39歳の女性(回収サンプル2万3,554)
※都道府県の都市規模に応じて、n=600、または、n=400の目標値を設定
※回収が目標に届かなかった和歌山県、島根県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県は、ウエイトバック集計による補正を行った
※実数回答(利用回数、利用金額)については、過大な入力値を外れ値として抽出し、それらを除外して平均値等を算出している
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)