ミルボンの2023年12月第2四半期決算(2023年1~6月)は、売上高が前年同期比5.8%増の227億300万円、営業利益が同19.2%減の30億9000万円の増収減益だった。
2023年8月10日、東京駅ちかくの丸の内トラストタワーN館で説明会を開き、佐藤龍二社長と村井正浩常務が上半期業績の振り返りと下半期の展望を示した。
ミルボン第2四半期決算
「オージュア」の新製品「インメトリィライン」が好調で、「グローバルミルボン」の取り扱いサロンも国内外で拡大し、5.8%の増収だった。
また、スマートサロン戦略について「スマートサロンの店販は、通常サロンの2倍。上期の11軒から年度末には20軒になる予定」(佐藤龍二社長)と手ごたえを示した。
利益については、原料価格高騰で売上総利益率が低下し、コロナ禍を経てイベントやセミナー、出張が再開して販管費や交通費がかさんだことで約2割減少した。
2023年12月期第2四半期決算(2023年1月1日~2023年6月30日)※連結
売上高
227億300万円(5.8%増)
営業利益
30億9000万円(19.2%減)
経常利益
31億2900万円(24.4%減)
親会社株主に帰属する当期純利益
21億9500万円(23.6%減)
※包括利益 27億8300万円(28.3%減)
部門別の売上高
売上高 (百万円) | |
ヘアケア用剤 | 13,339 (9.2%増) |
染毛剤 | 8,238 (1.1%増) |
パーマネントウェーブ用剤 | 714 (4.9%減) |
化粧品 | 267 (1.9%増) |
その他 | 144 (65.2%増) |
2023年12月期の業績予想を下方修正
2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)※連結
通期の業績予想について、売上高、利益とも下方修正した。
売上高を下方修正した主要因は、4月に発売したパナソニックと共同開発のヘアードライヤー「エルミスタ」(本体)の不振。2023年度の目標売上高12億1500万円に対し、6月末までに5700万円と進捗率にして4.7%にとどまっている。
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製品自体の評価は高いがこれまでの業務用とのギャップから店頭での紹介が思うように進んでいない。「サロンからお客さまへのブリッジをうまく架けられるようにしていく」(佐藤社長)ことで回復を図る。
利益については、商品評価損・廃棄損に伴い売上総利益が減少したこと、大阪万博の協賛費や小田原人材開発センター用地の埋蔵物調査費用など計画外費用を計上したことで、当初の計画を下回る見込み。
売上高
前回の発表 | 492億円(前年比8.8%増) |
今回の発表 | 480億円(同6.1%増) |
増減額 | △12億円 |
増減率 | △2.4% |
営業利益
前回の発表 | 83億円(前年比9.9%増) |
今回の発表 | 73億5000万円(同2.7%減) |
増減額 | △9億5000万円 |
増減率 | △11.4% |
経常利益
前回の発表 | 82億5000万円(前年比5.4%増) |
今回の発表 | 73億7000万円(同5.9%減) |
増減額 | △8億8000万円 |
増減率 | △10.7% |
当期純利益
前回の発表 | 58億円(前年比4.0%増) |
今回の発表 | 52億円(同6.8%減) |
増減額 | △6億円 |
増減率 | △10.3% |
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文・撮影/大徳明子