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【女性の美容室利用実態】年代別のメニュー利用、店販購入額、客単価別の値上げ状況は?

店販の購入額が増加中

コロナ禍でも注目された店販ですが、2023年も継続して購入額が増加しています。

コロナ禍で店販のオンライン販売も広がりました。購入チャネルの広がりによって、自宅で店販商品を使い切ってもすぐに継続して購入しやすくなった(=結果、購入額が増加している)という人も多いでしょう。

また、物販は施術料金以上に値上げの影響を受けやすいことも購入額上昇の背景にありそうです。

店販商品、購入1位は?

上位は「シャンプー」「コンディショナー」「ヘアトリートメント」と、日常的に使用する商品が並びます。

コロナ禍での来店頻度減少の影響を受け、プロユースの商品を購入する動きは、髪質改善ブームやハイトーンカラーによるケアニーズの高まりも加わり、今後も継続した需要があるでしょう。

また、7位にランクインした「ドライヤー・コテ」は、購入頻度は高くはありませんが、昨今は高額なドライヤーの売れ行きも良いと聞きます。

髪質改善をするならば、サロンのケア(施術)・ケア商品(トリートメントなどの店販)だけではなく、ドライヤーにもこだわりたいという女性が増えてきているのかもしれませんね。

価格帯別に見た値上げは?

低価格(客単価4,000円以下)、中価格(客単価4,001円~10,000円)、高価格(10,001円以上)ごとのサロンの値上げを見てみましょう。

高単価のお客さまほど「値上げがあった」と答える比率が高かったです。

一方、「値上げがあっても、サロンを継続するか?」という問いに対して「現サロンを今までと同様に利用し続ける」との回答が最も多かったのは、値上げ率の高い高単価のお客さまでした。

「値上げによって顧客離れするのでは?」と懸念されるサロンさまもいらっしゃるかと思いますが、この2点のデータからは値上げがあってもむしろサロンの継続意向が高いことが分かります。

値上げをしても顧客離れしない理由には、「ここでしかない技術・サービスを受けたい」「この担当に施術してもらいたい」などのカスタマーニーズがありそうです。

■ データ出典

・ホットペッパービューティーアカデミー

「美容センサス2023年上期<美容室・理容室編>」

■ 調査時期

2023年2月

■ 調査対象

全国、人口20万人以上の都市に居住する15~69歳の男女各6,600 サンプル (この記事では15~69歳の女性6,600サンプルを使用)

田中 公子

ホットペッパービューティーアカデミー研究員

TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​

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