理容市場縮小も勢い増すバーバー
理容室の数が年々減る中でも、バーバースタイルは人気を集めている。武骨で男らしい「ミスターブラザーズ カット クラブ」、アメリカントラッドを感じさせる「フリーマンズ スポーティング クラブ」などの有名店が生まれ、半個室の高級バーバーを核とするHIRO GINZAも業績好調だ。
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この理容業界の成長カテゴリーに、歯のホワイトニングサロンのフランチャイズ展開を手がけるRips株式会社(東京都世田谷区、花岡良泰社長)が参入する。
2019年6月10日、ドン・キホーテ上野店の5階にオープンする「Luxury men’s salon Axis(ラグジュアリー メンズ サロン アクシス)」は完全個室の高級バーバー。
海外の高級ホテルをイメージした、白と黒を基調とするラグジュアリーな内装で、3部屋(3席)を備える。
相乗効果でビジネスマン取り込むか
歯のホワイトニングサロン「Lips」は2年半ほど前から展開しており、現在4店舗。2018年9月に法人化し、Rips株式会社を設立した。(編集注:サロン名はLips、社名はRips)
「Luxury men’s salon Axis」は「Lips上野店」との併設。
バーバーの個室3、ホワイトニングの個室3、それぞれのカウンセリングルームを備え、さらにコワーキングスペース(17席前後)を設ける。
欧米のエグゼクティブ層が歯並びや歯の白さに気を配ることの影響もあり、日本でも歯のホワイトニングを行うビジネスマンが徐々に増えてきているという。
Lipsは1回30分程度のセルフサービス式で回数を重ねていくため、理容室の定期利用との相性はわるくない。個室型の高級バーバーに通うリッチ層に歯のホワイトニングに関心を持ってもらうきっかけづくりにもなり、互いの店舗の顧客を送客しあうことができる。
“身だしなみ”の日として両方に予約を入れ、すき間時間はコワーキングスペースで仕事をするという利用法は、忙しいビジネスマンのニーズと合致しそうだ。
最先端コスメや機器を用いてトータルケア
新店の代表を務めるのは、国際大会での準優勝経験もある理容師の倉澤政徳氏。
お客様の骨格に似合うフォルムをつくるヘアカット、エステを取り入れたアンチエイジングシェービング、健やかな髪を育む頭皮環境へと導くヘッドスパなど、お客様一人ひとりに合わせてオーダーメイドなトータルケアを提供する。
例えば、シェービングの最後には幹細胞コスメ(美容液)を使ったり、ヘッドスパの前後にはマイクロカメラを用いて頭皮の状態を確認したりと、高級バーバーならではの施術を行う。
「私たちは、髪を切り、髭を剃るだけの単なるバーバーではありません。提供したいのは『ワンランク上へ』羽ばたくためのきっかけとなる場所」という。
新業態の勝算は?
Luxury men’s salon Axisのオープンは、バーバースタイルや個室が流行しているので異業種が進出してきたという単純な話ではない。
『完全個室型バーバー』 × 『セルフサービス式歯のホワイトニング』 × 『コワーキングスペース』というトータルビューティー、新しい形態のサロンへの挑戦だ。
ただ、新しい試みは“世の中に知られること”が難しい。
ドン・キホーテという箱の集客力はある程度期待できるが、身だしなみにお金をかける余裕のあるビジネスマンとの相性が良いとは言いがたい。一方、定期的な出張で上京するビジネスマンにとっては悪くないかもしれない。
さまざまな要素のつまった新サロンの動向は見逃せないものとなりそうだ。
Luxury men’s salon Axis
▽所在地:東京都文京区湯島3丁目38番10 ドン・キホーテ5階
▽電話番号:03-6386-4293、080-7385-9696(代表)
▽営業時間:10:00~22:00(予定)
▽定休日:不定休
▽席数:3席(完全個室)