リアルとデジタルを融合した新たなサロン業態「Smart Salon(スマートサロン)」のコラボレーションをスタートしたミルボン。そのスマートサロン1号店が東京・渋谷の「MINX Shibuya smart salon」だ。
100坪の広さを誇る店内の3分の1を、店販スペースが占める。スマートサロンの可能性をどう考えるか。MINXの高橋マサトモ会長と大山幸也取締役に聞いた。
目次
①スマートサロンに感じた「将来性」
スマートサロンでは、トライアルサイズのヘアケア製品を試せる「DAGASHIシステム」や自分好みの香りに出会える「KAORIUM(カオリウム)」など、今までの美容室にはない体験が楽しめる。
今年1月、オープン前日に開かれた記者会見の席で、MINXの高橋会長は「美容師は、技術や店販の売り上げが給料へダイレクトに反映する。購入前に商品の使用感を試すことができるスマートサロンでは、技術売り上げに加えて商品売り上げのアップが見込める。美容師に対して大きな貢献になると感じた」と、スマートサロンの成長性に期待をかけていた。
②知識が店販への苦手意識を払拭する
多くの美容室では、店販への苦手意識が課題になっている。その課題に対し、「MINXでは勉強会を行うことで、積極的に店販をおすすめできる知識をたくわえている」と、高橋会長。
「店販が苦手になる理由のひとつは、情報と知識の不足。自信を持って語れないことには、苦手な気持ちが先行してしまう。MINXでは、ミルボンさんをはじめメーカーの皆さまのお力をお借りして、さまざまな商品勉強会を行っています。若手でも商品についてしっかり語れるのが強みです」
さらに、顧客が自宅でも店販を購入できるようになったmilbon:iD(ミルボンiD)の普及も、店販への苦手意識を減らしているという。「その場でクロージングまでしなくてよいのが、美容師の精神的負担を軽減している」と高橋会長。「失客につながるかもしれないし、無理強いはしたくない」と考えるスタッフにとっても、アプリでの販売が寄与しているのだとか。
今回のミルボンとのコラボサロンであるスマートサロンでは、店舗の3分の1を店販スペースに割いた。これまで以上の店販率を期待するからこその投資だ。
「お客さまのサロンでの体験が向上すること。そして、美容師の生産性が向上すること。双方のメリットとなる好循環を作りたい」と、力を込める。