④退職金有りの求人票は採用に有利
求人票には、退職金の有無を記載する項目があります。下の画像は、ハローワークの求人票の記載例です。多くのサロンが「退職金制度なし」の中、「退職金制度あり」はとても目を引き、検索にも引っ掛かりやすくなります。
どこのサロンも求人難ですから、採用が少しでも有利になるものは、ぜひ取り組む必要性があるのではないかと思います。
⑤掛け金全額が会社負担で損金扱い
企業型DCのイメージとして、大企業の会社が対象というイメージがあるかもしれませんが、加入者1名からでも加入できます。実際、役員のみで加入をしている会社もあります。
私の顧客の例だと、役員2名で従業員がいない会社が役員2名のみでDCに加入されています。掛け金は全額が会社負担で、全額が会社の損金となります。
サロン経営者の中には、コンサルティング会社を設立されている方も多いので、まず手始めにコンサルティング会社で加入をしてみるというのも良いのではないかと思います。
「企業型DCを勧める4つの理由」でもご紹介しましたが、法人役員のiDeCoの掛け金は上限2.3万円ですが、企業型DCに加入すると、掛け金の上限金額が5.5万円まで広がります。その点も、役員の方に喜ばれるポイントです。
⑥企業型DCとiDeCoの掛け金の違い
まとめますと、一般的には大企業で導入が進んでいる企業型DCですが、小規模の会社でも加入ができ、メリットも十分あります。
企業型(DC) | 個人型(iDeCo) | |
年金のタイプ | 企業年金 | 私的年金 |
加入対象 | 確定拠出年金の実施している会社 | 国民年金・厚生年金を支払っている個人 |
掛け金の拠出 | 会社または個人からの拠出、その両方も可能 | 個人 |
掛け金の上限(月額) | 5.5万円 | ・国民年金加入の場合 6.8万円 ・厚生年金加入の場合 2.3万円 ※加入者によって異なる |
役員だけの会社も、従業員がいる会社も、役員やスタッフに喜ばれると思います。
また、個人事業であっても、社会保険加入のサロンは企業型DCに加入することができます。実際に、加入事業所数は増加傾向にあります。
役員のみの法人も、スタッフがいる雇用サロンも、ぜひ企業型DCへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。
中嶋 有美
社会保険労務士/なかしま税務労務事務所
大学卒業後、地方銀行に就職し、在職中に社会保険労務士資格を取得。その後、中堅税理士法人2社にて、労務コンサルティング、助成金申請等を経験し、平成20年なかしま社労士事務所を開業。現在は、美容業のお客様を中心に、採用・定着のためのアドバイス、求人票作成、就業規則の作成、助成金申請のサポートなどを行う。
監修・文/中嶋有美(社会保険労務士) 編集/大徳明子
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