カットにもNOBUさん独自のテクニックが光る。セミナーでは、ミディアム、ボブ、ショートの3スタイルを披露した。
まず紹介されたのは、「前髪をバリカンでカットする」方法。バリカンを手にするNOBUさんに多くの受講者の目が釘付けになった。
前髪は両こめかみの幅で深めの三角バングにし、挟み込んだ毛束をねじりバリカンを当てると、あっという間にラウンド状の目尻バングが完成。NOBUさんいわく、このカット方法は、様々なスタイルに応用が可能だそう。
またミディアムスタイルでレイヤーを作る際は、「襟足を結んでカットする」という技術も紹介された。
サイドの耳後ろからバックの髪を上下にブロッキングし、下段は左右に分け、ゴムで結んでおく。こうすることで髪が引っかからず、上ブロックのカットがスムーズに進むそうだ。
効率的なカット技術により、サロンワーク時には、ミディアムスタイルのカットを7分ほどで仕上げることもある。カット時間を聞いた受講者からは、驚きの声が上がった。
現在Instagramのフォロワーが22.9万人に上るNOBUさん。SNS投稿に関するコツも、惜しげもなく披露してくれた。今回モデルに施術したハイライトやバレイヤージュの撮影時にも、コツがあるという。
「スタイリング剤をつけないと、ハイライトやバレイヤージュの線がわかりにくい。撮影の前にバームやオイルを使うと、面が出てハイライトなどの線がわかりやすくなります。さらに粗めのくしでコーミングすると、しっかりとラインが出るのでおすすめです」
またInstagramのストーリー撮影時には、モデルの顔が画角に対して3分の1程度になるまで寄ることで、ヘアを魅力的に撮影することができるそうだ。受講者たちは大きくうなずきながら、すぐに真似できるテクニックに耳を傾けた。
3時間半におよぶ講義後は、NOBUさんの丁寧で早いサロンワークの秘訣が詰まった著書『NOBU式 サロンワークの全て』のサイン会も実施された。
セミナーを受講した「Ojala」オーナーの小林伸二さんは、笑顔で受講の感想を語った。「今回のセミナーで学んだことをスタッフ教育に役立てられればと思い、参加しました。40代になっても学ぶ姿勢を持ち続けたいと、常々NOBUさんのカット動画を拝聴していましたが、動画で学んできたことを目の前で見ることができ、理解が深まりました」
オーナーのすすめで参加したという「TiDA」のスタイリスト塩澤瞳羽さんは、「サロンでも、時短が大きな課題。今回のセミナーは学びたいことにピッタリでした。NOBUさんが施術中に使用していた『ドリームウィーバー』を導入して、サロン然体で時短を叶えていきたい」と述べた。
参加者は、終始NOBUさんを取り巻いて、かぶりつきで受講。密度の濃いセミナーに、受講者たちのモチベーションも上がった3時間だった。
編集/大徳明子、佐藤友美 文/市川みさき
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