ここで「そもそものサロンに対する満足度」と「値上げによるサロン離れ」には相関関係があるのではないか?という仮説を立てました。
次のグラフは「値上げ以外の要因」に対するサロンの満足度です。
そしてさらに、満足度(「満足している」「やや満足している」「やや不満がある」「不満がある」)の4区分別に、先ほどの「サロンの変更」について集計をしてみたのです。
その結果がこちらです
そもそものサロンへの満足度が高い人ほど、サロンを変更しない比率が大きく、サロンへの不満が強い人ほど、「変えるつもりだ」を答える比率が高いという結果に。
日ごろのサロンの満足感が大きく影響していることが分かりました。
値上げがあってもサロンに通いたくなる理由の1位には「技術力の高さ」、2位は「接客の丁寧さ」、3位は「スタッフの人柄」がランクイン!
美容サロンは、定期的に対面接点を持つ場であり、サロンという空間で美容師とも距離の近い時間を過ごします。
このためお客さまは「価格」だけでサロンを判断しているわけではなく、「技術力」や技術以外の「接客」なども重視しています。
サロンの強みをしっかりとお客さまに理解いただくことで、値上げによる顧客離れはある程度抑制できると考えています。
■ データ出典
・ホットペッパービューティーアカデミー 「美容サロンの価格改定に関する調査<ヘアサロン編>」
■ 調査時期
2023年2月
■ 調査対象
直近半年以内に美容サロン(ヘアサロン、エステサロン、ネイルサロン、リラクゼーションサロン、アイビューティーサロン)のいずれかを利用した全国の20~49歳男女3,000人(女性1,500人、男性1,500人)を回収(1次調査)。そのうち、ヘアサロン利用者2,619人(女性1,243人、男性1,376人)を抽出し集計した。
※集計値は四捨五入により、単一回答における合計が、必ずしも100.0%にならないことがある
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。