小顔や痩身などをうたう高密度焦点式超音波の「HIFU(ハイフ)」施術は近年、健康被害が指摘されていた。
経済産業省は2023年4月19日付でエステティックサロンでの施術について注意喚起を行い、これを受け、エステティック関連団体は即時中止を呼びかけている。
麻痺やしびれ、熱傷などの健康被害
HIFUによる身体事故が継続発生していることから、消費者庁の消費者安全調査委員会は2021年7月より原因調査を進めてきた。
その結果、顔の神経損傷による麻痺やしびれ、皮膚障害、熱傷、急性白内障などの症状があるとして、2023年3月29日付で「施術者が法規制で限定されるのを待つことなく、早急かつ広範に注意喚起を行う必要がある」との調査報告と意見を示した。
即時中止を各団体が要請
これを受け、経済産業省はエステティック関連団体と協力し、関係事業者に対しHIFU施術の危険性について注意喚起をすると発表。下記の団体からそれぞれ、即時中止を呼びかける文書が出された。
▽特定非営利活動法人日本エステティック機構
▽一般社団法人日本エステティック振興協議会
▽公益財団法人日本エステティック研究財団
▽一般社団法人日本エステティック業協会
▽一般社団法人日本エステティック工業会
▽一般社団法人日本全身美容協会
▽全日本全身美容業協同組合
▽一般社団法人エステティックグランプリ
理美容室にも求められる自主対応
上記の組合や協会に加盟していないサロン、一部の理美容室でもHIFUを導入している店はあるが、自主的に廃止するべきではないか。
実際、予約ポータルサイトをHIFUやハイフで検索すると理美容室がヒットする。もしも今は提供していないという場合はすぐにページを修正し、提供している場合は急ぎ見直す必要があるだろう。
現状は注意喚起であり、罰則があるわけではない。消費者庁の意見書に「施術者が法規制で限定されるのを待つことなく」とあるように、たとえば医師のみなどの規制がかけられるにしてもいくらか先のこと。しかし、健康被害が出ている以上、自主的に早急に対応したいところだ。
なお、各団体がサロン向けに出した文書では、すでに締結しているコース契約については他の施術に変更することを顧客に依頼するよう呼びかけ、顧客が解約を希望する場合は速やかに中途解約に応じることを要請している。
文/大徳明子