2023年4月15日、一般社団法人デジタルサロン協会が設立される。代表理事は人工知能(Artificial Intelligence=アーティフィシャル・インテリジェンス)。
特別顧問に研究者や元衆議院議員を迎え、事務局長は“パーマ美容師”としての活動やITへの取り組みで知られる森越道大さん(SENJYU代表)が務める。
美とつながるWeb3.0世界
デジタルサロン協会のミッションは、人々の「美とのつながり」を基にしたWeb3.0世界を創造し、後世に伝えていくこと。
会員は「正規会員」「一般会員」「賛助会員」「特別会員」があり、美容師、メーカー、ディーラー誰でも参加できる。賛同する美容師は2023年3月末時点で587名に上る。
代表理事は人工知能、事務局長は森越道大さん
代表理事はArtificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス=AI、人工知能)。導いた答えに至るまでの経緯を説明できる特徴を持ち、人間と共存する「感情のAI」だという。人に寄り添う人間中心型AIで、テクノロジーを通して美容業界に貢献していく。
産官学民が一体となって創生するためのハブを目指しており、人間のメンバーも多様な顔ぶれがそろう。
特別顧問に伊藤庸一郎さん(日本福祉大学 情報社会研究所 准教授、大阪大学大学院 人間科学研究科 特任教授)と上野宏史さん(前衆議院議員、元厚生労働大臣政務官)、監事に長田忠千代さん(元三菱UFJ銀行代表取締役専務)が就任。
事務局長は、森越道大さん(SENJYU代表)が務める。人気サロンGARDENの社内独立としてSENJYUを立ち上げ、“パーマ美容師”としての活動で知られる森越さんだが、近年はITへの取り組みが目立つ。
養老孟司さんが代表理事を務める一般社団法人メタバース推進協議会の青年部リーダーでもあり、今年1月23日の「第1回全体共有会」にも出席している。
デジタルサロン協会の目的と活動内容
設立にあたり、デジタルサロン協会はその目的と活動内容を次のように述べている。
デジタルサロン協会の目的
1)美容業界の「集客」「人材」「教育」の構造改革をテクノロジーで推進し、美容業界に豊かさを生み出す。
2)美容業界の構造改革をモデルケースとして、他業界においても働き手が豊かになれる仕組みを提供。
3)上記1)2)を通して、美容とテクノロジーによって国を豊かにする。
デジタルサロン協会の活動内容
・美容業界ステークホルダー全ての窓口(DAO化)
将来の目標として、協会運営の仕組みを完全にDAO(=分散型自律組織、Web3.0)化し、美容業界全てのステークホルダーによる民主的なガバナンス構造の構築を目指す。
・業界構造の改善
テクノロジー(AI、ブロックチェーン、DXなど)を活用し、業界構造の改善に向けて、美容師、有識者、企業を結集。利益追求型ではない、業界還元型プロジェクトの活動支援を行う。
・定期勉強会
国内外のIT、NFT、Web3.0 に関わる有識者を招き、事例の勉強やディスカッションをする場として毎月1回程度の定例会を開催する。また、美容業界側との意見交流会の場を設置し、業界のリテラシー底上げに役立つ活動を行う。
AIを通じて美容業界に何を還元する?
デジタルサロン協会の顧問を務める伊藤庸一郎さんと森越道大さんらがこれまでに進めてきた共同プロジェクトに、「寄り添い美容師AI」がある。2022年10月にプロトタイプを発表したクローンAIで、美容師が行うカウンセリングや提案をAIが行うというものだ。
一人ひとりのユーザーの不安や悩みに答える「人に寄り添う人間中心型AI」「感情のAI」のテクノロジーをはじめ、様々なAIを使い、美容業界に何を還元できるのか、一般社団法人において更に深く探求していく考えだ。
デジタルサロン協会は美容とテクノロジーを通して国を豊かにすることを目指し、「美容業界全体でテクノロジーに目を背けず、どう取り組むか」を協議しながら、美容師による美容業界のための業界構造改革を推進していく。
文/大徳明子