③初回来店の重視点
大都市
※データは複数回答
「現在使っているサロンに初めて来店する前に、サロン選びで重要視したポイントをお選びください」については、大都市の1位は「料金がリーズナブル」。ただし5位には「料金が明確」がランクインしていますので、金額の安さだけではなくお客さまが納得できる価格であることが大切です。
また、2位、3位には、これまでご紹介したデータにも出てきた「ネットの口コミが良い」「ネット予約ができる」がここでもランクインしています。初めて来店するお客さまにとって、口コミやネット予約が必須であることがこのデータからも分かりますね。
中規模都市
※データは複数回答
中規模都市の初回来店時の重視ポイントも、1位は「料金がリーズナブル」。
「自宅から近い」が2位にランクインしている点を除けば大都市と傾向は近しいです。サロン選びが大都市よりも広域になる分、自宅からの距離を重視するお客さまが増えるのかもしれませんね。
小規模都市
※データは複数回答
小規模都市の1位は、「ネットの口コミが良い」と「料金がリーズナブル」が同率で1位となりました。
小規模都市は、車でサロンに通うなど、サロン選びが大都市や中規模都市以上に広域となることも多いでしょう。このため、ネットでの情報や実際に使った人の口コミや評価で疑似体験をしたいというニーズが、他の都市規模以上に高いのかもしれませんね。
④まとめ
今回の調査からは、お客さまの美容サロン探しにおいては、都市規模の差はそれほど大きくはなく、「ネットでの情報提供」「ネットの口コミ」「ネット予約」はどのエリアでも、お客さまのサロン選びにとって重要であると言えるでしょう。
実は、筆者は「小規模都市」の出身です。確かに15年ほど前まで(ちょうどホットペッパービューティーがサービスを始めたころですが)は、ネット自体の浸透が広まっていないなと感じたこともありました。
ただ現在では、美容サロン利用の中心となる年代層(20~40代)はスマホで美容サロン予約をしていることがごく一般的な実感はあります。「うちにはネットが必要ない」とお考えになるサロンの皆さまも、ネット対応を拡充されることによって新たなお客様が増える可能性は十分にあると考えます。
■ 都市例
<大都市>人口20万人以上:
東京都23区(特別区)、大阪市、名古屋市、札幌市、仙台市、広島市、福岡市など合計110の市・および政令指定都市の行政区
<中規模都市>人口10万人以上~20万人未満:
武蔵野市(東京都)、ひたちなか市(茨城県)、小田原市(神奈川県)、富士宮市(静岡県)、和泉市(大阪府)、米子市(鳥取県)など合計152の市
<小規模都市>人口1万人以上~10万人未満:
つがる市(青森県)、気仙沼市(宮城県)、牛久市(茨城県)、氷見市(富山県)、熱海市(静岡県)、長久手市(愛知県)、たつの市(兵庫県)、室戸市(高知県)、天草市(熊本県)、石垣市(沖縄県)など合計527の市
※詳細の都市例は、こちらの54P以降をご確認ください。
■ データ出典
・ホットペッパービューティーアカデミー
「【人口規模別】サロン利用実態調査」(2023年3月)
・調査対象: 20~49歳女性。美容サロン(美容室、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン、アイビューティーサロン)の1年以内利用者
・20万人以上都市 n=1,000、10万人以上~20万人未満 n=500、1万人以上~10万人未満 n=500
調査実施時期: 2022 年 12 月
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。