カテゴリー: 特集・インタビュー

「目指すは小さな大巨人」 30周年のリー・プログループ 小山直文社長インタビュー(前編)

2023年10月に設立30周年を迎えるリー・プログループ

「LABO+(ラボプラス)」や「EST LABO(エステラボ)」で知られるシー・ビー・エスをグループに迎え、美容機器メーカーから総合美容メーカーへと躍進。昨年にはデンキブラシを発売し、美容室への展開に本腰を入れる構えです。

創業社長である小山直文氏は「23歳の若さで年収890万円になったかと思えば、年収240万円に満たない苦しい生活が10年続いたり。いろいろな仕事を経験してきて思うのは、美容室は非常にポテンシャルの大きい業界だということ」と言います。

前編では、これまでの歩みと将来展望を、後編では、その波乱万丈な人生についてお聞きします。

>> 後編:憧れの北海道で起業しサロン経営に失敗、美容機器で再起の波乱万丈人生

創業30年の美容機器メーカー、化粧品会社をグループ化

── 美容機器を中心としているリー・プロですが、2021年に化粧品メーカーのシー・ビー・エスを迎えたことで一気にグループの規模が拡大しました。

シー・ビー・エスのM&Aを機に、2021年10月をもって、リー・プロからリー・プログループへと社名を変更しました。実は10年以上前から、ロゴにはリー・プログループと表記していたんです。ようやく目指していた形になりました。

美容機器の総合企画会社である株式会社リー・プログループ、化粧品の製造・販売を行う株式会社シー・ビー・エス、化粧品原料の開発やOEMを手がける株式会社粧薬研究所の3社を中心に全9社、従業員数は約80人のグループです。

「10年越しに目指していた形になった」と語る小山社長

── 美容機器を扱うリー・プロが、なぜ化粧品会社をグループ化したのでしょう?

「総合美容機器メーカー」と言われるのが嫌で、リー・プロの30周年までには「総合美容メーカー」になりたいと考えていたんです。総合美容メーカーは化粧品をつくれなければいけない。自社の化粧品を自由につくりたいと思っていました。

その点、シー・ビー・エスはリー・プロと同じく北海道の会社で、自社工場でつくっているので価格と品質が安定している。僕は以前にエステティックサロンを経営し、その後にはディーラー業もしていたのですが、当時から、シー・ビー・エスの商品を扱っていました。

1994年創業のシー・ビー・エス。その化粧品は北海道の自社工場で製造されている

すべて内製化できるグループの強み

── 総合美容メーカーには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

すべてをグループで内製化し、設計から企画、開発、製造、販売まで一貫してやることができます。この、ぜんぶ自前で出来るというのは大きな強みです。

たとえば、リー・プロには発売から10年以上ずっとシェア1位の美顔器があります。10年前の製品でも、リー・プロは自社で部品を調達して修理します。この保守の長さから厚く信頼されているんです。

また、研究や製造についてもグループの資金力でガンガン投資しています。本当にパワーのある化粧品というのは、根底から設備を変えなくてはできません。すでに粧薬研究所へ数千万円の設備投資をしましたが、さらに現在、広さにして3倍以上の新工場を札幌市内に建設中です。

── 広さ3倍の新工場! シー・ビー・エスの急成長は間違いなしですね。現在は市場でどのようなポジションをとっていますか?

主力ブランドの「EST LABO(エステラボ)」は王道ですね。人を選ばずに使いやすくて価格も手ごろ。同じく売上の大きい「LABO+(ラボプラス)」は、一歩進んだ“積極的エイジングケア”のブランドです。

リー・プロとグループになったので美容機器も自社で開発できるようになりました。その象徴的なアイテムが、2022年9月に「LABO+」から発売したデンキブラシ の「モッサーモ」です。専用のヘアセラムもあるので、美容室へ積極的に展開していきたいと考えています。

ピンクのラベルでおなじみのロングセラー化粧品「EST LABO(エステラボ)」
“積極的エイジングケア”を掲げる「LABO+(ラボプラス)」。美容機器もつくれるようになったことで、デンキブラシが仲間入り。美容室での展開を強化するという

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