── デンキブラシは美容室の店販で人気のアイテムです。エステティックサロン向けブランドとして認知されている「LABO+」から発売されたのは驚きでした。
そこがまさにグループの力です。長年、美容機器を手がけてきたリー・プログループだからこそ出来た「LABO+ デンキブラシ モッサーモ」は、デンキブラシ史上で最小・最軽量・最大出力※の自信作です。 ※シー・ビー・エス調べ(2022年8月現在)
あわせて、頭皮用美容液も開発しました。それが「LABO+ モッサーモ GF Re.バイブヘアセラム」です。“積極的エイジングケア”の「LABO+」らしく、独自成分をぜいたくに配合しています。
以前からの「LABO+」ファンの方にお使いいただきたいのはもちろんですが、何より、美容室の店販として大いに期待しています。
シャンプー後にタオルドライをしたら、ぜひ頭皮にセラムをつけて、髪をとかすようにデンキブラシでマッサージしてください。お客さまにその場で気持ちいいと実感していただけると思います。
── エステティック業界で有名なブランドとはいえ、美容室の市場は別物です。なぜ美容室への展開に力を入れるのでしょう?
実は、以前にも美容機器で美容室に臨店したことがあるんです。500店舗くらい回りました。
お客さまにまずアシスタントが説明して、その後、さらにスタイリストがプッシュする。そうして店販品が売れると、協力したことで2人の人間関係がよくなり、ここでの工夫や成功体験で人が育つ。美容室の店販というのは、なんていい仕組みなんだと思いましたね。
僕はこれまでいろいろな仕事を経験してきました。23歳の若さで年収890万円になったかと思えば、年収240万円に満たない苦しい生活が10年続いたり。そうしていろいろ体験してきて思うのですが、美容室は店販に力を入れたら、とても魅力的なビジネスになる。ポテンシャルの非常に大きい業界です。
── 販売力なら、エステティックサロンも負けていないのでは?
もちろんエステティックサロンも商品の販売は盛んです。ではなぜ美容室の店販が魅力的なのかというと、期間の長さ、つまり一人のお客さまが同じサロンに通い続ける年数、そして美容室が販売を続ける年数が圧倒的だからです。
たとえば、リー・プログループの「minicure(ミニキュア)」は発売から10年を超えるロングセラーの美顔器です。エステティックサロンと美容室で比べれば前者の売上が大きい。でも、そこにはおもしろい違いがあります。
くわしい数字は公開できないのであくまでイメージとして聞いていただきたいのですが、発売時の販売個数はエステティックサロンが100個、美容室は10個だったとしても、10年後は1個と5個に逆転します。
いろいろなサービス業がある中でも、人生そのものを変える力を持っているのが美容室なんじゃないかな。そこで働く美容師さんとお客さまの絆は深く、そのつきあいはとても長く続く。生活の一部になっているからコロナ禍でも復活するのが早かったし、それがモノの売れ方にも表れている。美容室の店販の可能性を確信しています。
── 今年10月にはいよいよ設立30周年を迎えますね。
目指しているのは100年、1世紀企業なんです。その頃には僕はもう生きていないでしょうけど。
1世紀続くようなというのは、大企業や上場企業という意味ではありません。「小さい会社だけど半端ないパワーがあるよね」「商品数は少ないのにあんなに売り上げがある」と言われるような会社にしたい。「小さな大巨人」になりたいんです。
だから、扱うのは本当にパワーのある化粧品でないとダメです。来年初夏に稼働を開始する建設中の新工場には、10億円以上の投資をします。
── 非常に大きな決断です。不安はないのですか?
実は、不動産だけで1000万円以上の月収があります。僕は働かなくても食べていける。でも毎日、僕自身が美容機器の基板をいじったりして、今日のように作業服を着てめちゃくちゃ働いています。
それは「小さな大巨人になる」という夢があるからです。自分の名前を残したい。僕の銅像を建てるぞと思っています。これ、本気です。資金を集める時、事業計画書にも書きましたから(笑)
大型投資をした設備で僕らはさらに質の良いものをつくります。次世代に残せる、1世紀続く会社になります。うちの社員も、製品を仕入れていただく皆さまも、それを買っていただくお客さまも、僕らと関わるすべての方に利益が出て幸せになれるように、全社一丸となって取り組んでいく覚悟です。
小山 直文
株式会社リー・プログループ
株式会社シー・ビー・エス
株式会社粧薬研究所
代表取締役
KOYAMA NAOFUMI/東京都田無市(現西東京市)出身。幼少期から北海道に憧れて育つ。高校卒業後、大手電機メーカーの東芝エンジニアリングに入社。5年間勤務し、社長賞を獲得。その賞金で行った北海道旅行の際、現地での起業を決意。23歳で起業し、1993年にリー・プロを設立。水関連ビジネスやダム水位解析プログラム事業などを経てエステティックサロンを全国展開。その後、事業に失敗して莫大な借金を抱えるが、探偵業や美容ディーラーを経て美容機器メーカーとして成功。2021年にシー・ビー・エスをM&A。総合美容メーカーとなったことを機に、リー・プロからリー・プログループへ社名変更。現在に至る。
取材・文・撮影/大徳明子
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