Ashanti方針説明会　グローバル展開やプラットフォーム構想でさらなる成長を

経営・業界動向 2023.03.31

全国に67店舗を展開する美容室チェーンAshanti（アシャンティ）は、2023年の方針説明会「LEADER’S MEETING（リーダーズ・ミーティング）」を開催した。

「Ashantiサロンプラットフォーム構想」や「ローカル・グローバル展開」など今後の施策を示した。

５年で200店舗、1300人雇用目指す

Ashantiは、投資ファンドのブルパス・キャピタルによって2021年10月に買収された業務委託美容室チェーン。

「美容室の働き方改革」「働く人たちの時間・報酬を守ること」を目標に掲げ、200店舗の達成、1300人の雇用を目指す5カ年計画を2022年5月よりスタートしている。

買収にあたり、創業者で美容師の清水大輔氏は退任。家具ECサイトで知られるリグナ出身の柳父豊氏が社長を務めた後、外資系大手コンサルティング・アクセンチュア出身の北村嘉崇氏が取締役専務執行役員を経て、2022年4月より代表取締役に就任し、2月14日のリーダーズ・ミーティングでも方針の説明に当たった。なお現在は退任し、3月からは、投資ファンド社長の梅村崇貴氏がAshanti代表を兼ねている。

2022年は売上高12％増、19店舗増

「リーダーズ・ミーティング」には、Ashantiの全国のマネージャーや店長が参加。同社の経営理念や今後の具体的な指針を発表した。優秀な成績をあげた店舗を表彰する「Ashanti アワード」の表彰式も行われた。

まずは2022年の「成長の足跡」が発表され、売上高は前年比12％増、店舗数は同19軒増と順調な成長ぶりだった。なかでも注目は、スタイリスト1人あたりの売上が約6.3％向上し、平均報酬額もアップしていること。店舗数を増やすのは目的ではなく、スタイリストに還元するための手段であることを改めて示した。

美容業界の当たり前をアップデートする

2023年のビジョンは「beyond your…」。これには「美容業界の“当たり前”をアップデートし、想像を超えた心豊かな未来を実現する」という意味が込められている。

また、「プロミス」として3つの理念が示された。

これまでAshantiが打ち出してきた「美容師の資産づくり」「コーチング文化の醸成」「経済的・時間的自由」の実現に向けて、具体的な施策を推し進めていくという。そのための本部組織と各部署の目標、店舗責任者の昇進条件なども発表された。

ローカル・グローバル展開やプラットフォーム構想も

今後の具体的な方針としては、「ローカル・グローバル展開」と「Ashantiサロンプラットフォーム構想」が発表された。

「ローカル・グローバル展開」とは、ローカルエリア（地方都市）への出店と同時に、未進出エリアへの展開とアジア圏進出を進めること。M＆Aによって未進出エリアに展開し、アジア圏への進出はグローバル展開の第一歩とする。

いずれも「地元で働きたい」「新たな環境で生活したい」と考えるスタイリストが、どこでも安心して働ける環境を作るためのものだ。

「Ashantiサロンプラットフォーム構想」は、現在サロンを経営している人や、今後サロンを経営したい人のプラットフォームになっていくというもの。たとえば、現在他社のサロンで勤務しているスタイリストがAshantiのFC経営者になったり、自社サロンを経営している人がM&A（会社売却）によってAshantiに入ることを想定している。

Ashantiはプラットフォームとして経営戦略、人材育成・コーチング、マーケティング、経理・総務などあらゆる面をサポートする。さまざまな選択肢を用意することで、サロン経営者を目指す人の成長と資産・経営をバックアップ。豊富な資金力とノウハウ、ネットワークを持つ強みを生かしていく。