「社長就任から20年。看板ブランドの共創、社名変更、SDGs、DX推進」 b-ex 福井敏浩社長インタビュー(前編)

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「社長就任から20年。看板ブランドの共創、社名変更、SDGs、DX推進」 b-ex 福井敏浩社長インタビュー(前編)

1975年創業のb-ex(ビーエックス)は、モルトベーネからビューティーエクスペリエンス、そして現社名へと2度の社名変更を行い、ロレッタやスロウなどの有力ブランドを世に送り出し、いち早くSDGsやデジタル化に取り組んできました。

このすべてを31歳の社長就任からの20年で進めた福井敏浩社長に、その歩みと今後の展望をうかがいました。

①31歳で2代目社長に

── 創業社長であるお父様、福井耀氏が亡くなられ、31歳の若さで2代目社長に就任されたのは2001年のことでした。急なことでご苦労も多かったのではないでしょうか?

もともと創業30周年、私が36歳になったら代替わりをすると社内にはアナウンスしていたので、そこまで急というわけではなく、数年ほど前倒しになったという感じです。

それでも、父の代からの役員や幹部は私より年長ですし、戦国時代でたとえるなら藩はそのままで大名だけ代わった状態なので、コミュニケーションには気をつかいました。

── 入社されて何年目のことでしたか?

25歳で入社して6年目ですね。その前は、アメリカに留学して経営学を学んでいたのですが、父親の具合が良くないと言われて帰国し、当時のモルトベーネに入社したんです。

マーケティングをかじりながら社長室長や営業支店長を務め、父が亡くなった時は常務になっていました。

②佐藤可士和さんとブランディング

── 社長就任からの20年で、現在の主力ブランドであるロレッタやスロウを立ち上げ、コンシューマー向けブランドを大胆に整理し、SDGsやデジタル化を推進し・・・と縦横無尽のご活躍ですが、まずは、2度にわたる社名変更についてお聞きします。1度目は2015年、創業40周年の節目でした。

実は、社名を変えようと思っていたわけではなく、CI (コーポレート・アイデンティティ)を佐藤可士和さんに相談するうちに、社名から変えようとなったんです。

b-exの福井敏浩代表取締役社長インタビュー
「実は想定外だった」と社名を変更した当時を振り返る福井社長

── 佐藤可士和さんといったら日本を代表するクリエイティブディレクターの一人ですよね。当時は「モルトベーネさん、すごいな」と美容業界がざわつきました。お知り合いだったのですか?

いえいえ。ダメもとでお願いしてみようと、うちの女性スタッフがFAXで依頼しました。そうしたら「トップの方とお話したいです」とお返事が来て、お会いして。佐藤さんと私の1対1でトークセッションみたいな打ち合わせを半年ほどかけて行いました。会社のことはもちろん、私が子どものころに好きだったものとかもいろいろ深く聞かれましたね。

最初のプロジェクトが終わり、打ち上げの食事会でお話していたら、なんと佐藤さんと幼稚園が同じで、剣道場も同じところに通っていたことがわかったんです。

── すごい! それは、ご縁を感じますね。

不思議ですよね。佐藤さんが5つほど年上で、私が小学生のころにはもう中学生なのですが、もしかしたらいっしょに道場にいたこともあったかもしれない。鳥肌が立ちました。

③「ワクワク」「かわいい」のある社風

── CI制定にあたり、会社のイメージや組織文化について、社員へのインタビューを通じて探ったそうですね。

そうしたら、当社を表すものとして「ワクワク」「かわいい」というキーワードが出てきたんですよ。こういう会社はなかなかないと佐藤さんもおっしゃって。このキーワードから生まれたのが「人生に、新しい美の体験を。」という企業理念です。

この「美の体験」を英語にし、社名を株式会社ビューティーエクスペリエンスに変更しました。2015年4月のことです。創業40周年、そして社長就任から15年の節目でもありました。

── それから6年後、2021年3月に株式会社b-exに変更されました。社名をアイコン化したとのことですが。

ビューティーエクスペリエンスという社名が少し長く、ビーエックスという略称で呼ばれていたんです。それで、社内外のコミュニケーションスピードをあげるためにも略称を社名にしました。

b-exのロゴの歴史(モルトベーネ→ビューティーエクスペリエンス→b-ex)
モルトベーネからビューティーエクスペリエンス、そしてb-exへ
b-ex大阪スタジオ(佐藤可士和さんデザイン)
佐藤可士和さんの手がけたb-exのスタジオ。ロゴをアートとして落としこみ、空間そのものでCIを表現している

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