山野美容専門学校などを運営する山野学苑は2022年12月27日、法人名義のクレジットカードを使った不正支出などにより1億4000万円超の損害を確認したと発表した。
使途不明のクレジットカード支出
山野学苑によると、外部の専門家に調査を依頼した結果、過去10年間で合計1億4198万3769円の不正支出や取引が認められた。
不正は、前総長の故・山野正義氏によって主導されたものとみられる。
理事会などの決済がない具体的な使途が不明なクレジットカードによる支出は、5808万771円にのぼる。また、法人所有の住宅が相場より安く役員に貸し出されていた。
来年3月に調査結果を報告
この件に関わった役員の有無を精査し、来年3月に報告をまとめる。
故・山野正義氏の長女で現理事長の山野愛子ジェーン氏は、「今回判明した諸問題は、運営面における家族経営的な脆弱性が残っていたことを示すものと考えており、責任を痛感している」とコメント。
再発防止については、「今後は、ガバナンス体制の強化を図ることにより、透明性の高い経営を目指す」方針だ。
損害については、前総長の相続人が全額返還の意向を示している。
文/大徳明子、杉野碧