女性のメイクアイテムの購入ランキングも見ていきましょう。2022年の購入率１位は、「アイブロウ」。コロナ禍の2020年以降ランキングを徐々に伸ばしており、ファンデーションと同率１位になりました。
眉毛は「マスクから見える」パーツ。アイシャドウやアイライナーなど目元のメイクアイテムの購入ランキングもここ数年で上昇しており、コロナ禍での目元美容へのシフトが数字で裏づけられています。
一方、コロナ禍で購入が減っているのが、「口紅・リップグロス」。「ファンデーション」に次ぐ購入率２位から、2020年以降順位を下げ、今年は7位です。
やや下げ止まった感はあるものの、利用を控えている人もまだ多いとは思いますが、「マスクを外した時に、メイクやスキンケアで注力する部分」では、２位にランクイン。マスク着用ルールも徐々に緩和の方向に向かっているため、「脱マスク」による口紅購入の意欲も動きそうです。
また購入ランキングでは１位の「ファンデーション」も、「マスクが汚れる」という理由から利用を手控えている人がいるのも事実。コロナ収束で、ファンデーション購入も今以上に伸びていくでしょう。
アイテム別の年間購入金額からは、すでに「脱マスク」に向けた動きも感じられます。「ファンデーション」「口紅・グロス」の年間購入金額は2021年から2022年にかけて増加。特に口紅は、786円と大幅に増加しました。
ファンデーションも口紅も、コロナ禍で「マスクにもつきにくい」アイテムが販売されるようになってきた影響もありそうです。SNSで若年層にバズった口紅もあるなど、「マスクから隠れる」一方で、やはり口紅は顔のイメージを大きく変えるアイテム。自分一人でも「メイクを楽しむ」「気分を上げたい」ときには、ニーズが高いのかもしれません。年明け、春に向けた美容には、口紅の活躍が期待されます。
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→ 2020年 https://www.beautopia.jp/21302/（美容センサス2020年下期）
■ データ出典
・ホットペッパービューティーアカデミー
「美容センサス2022年下期＜美容意識・購買行動＞」（2022年12月）
・調査実施時期： 2022年8月
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO／前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』（女性モード社）ほか。
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